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2009.09.28

デスペ・ライブ with ミツダイ  〔10年まえのライブの再現をめざして〕

3回目になる「デスペ・ライブ」の競演はミツダイ

今年に入ってから目覚しい活躍ぶりをみせるミツダイ
ぜひとも一緒にやりたかった

このところ30分程度の枠の中でライブを数多くこなしてきたミツダイだが、長い時間のステージでの彼らを久しぶりに観たかった

で、1時間の枠を自由に演出してもらうように依頼した

快く受けてくれたがハードルはいささか高かったかもしれない

 ①普段の倍の時間を演出する
 ②見知らぬお客様に演奏する
  (しかも酔っ払ってチャチャを入れる軍団が目前に陣取っていた)


いつもよりも緊張した面持ちの二人

それでも演奏はいつものようにきれいなハーモニーを聴かせてくれた

お客様にしてみると初めて聴くオリジナルを中心に1時間突っ走った

中盤にはさんだコブクロやH2Oの歌が効果的に効き、オリジナルの良さを強調していた

さわやかで心地のよいステージだった





********************************






さわやかミツダイの後はMartin古池のステージ

今回は45分×2ステージをもくろんでいた




どうしてもやりたいことがあった

それは10年以上も前に越谷の「ぶどうの木」というライブハウスでやっていたライブの再現だ

当時の僕は「ぶどうの木」のレギュラーとして活動していた。
今の自分とはちょっと結びつかないようなステージを展開していた

自己主張とメッセージ色が極めて強いものだった

当時相棒だったペケさんが突然蒸発し、一人でライブを切り盛りしなければならないという事情もあった

若さゆえの思い込みの強さも当然あった




テーマを決めて物語を組む
それに応じた歌を選曲(作曲)し、芝居でつなぐ

そんなスタイルでライブをやっていた

中島みゆき姉さんの「夜会」を意識していたこともあり
かっちりとシナリオを決めてそれを演じようとした




当時ライブ会場は緊張感で張りつめていた
お客様は目を丸くして(?)ステージを見つめていた
まるで毒気に当てられたように

演じ手の僕の一方通行のライブだった


その後さまざまな紆余曲折を経た
一方通行のライブスタイルの問題点や狭さが浮彫りになっていった

お客様の数はジリ貧になり、コアなMartinファンだけが残った

それでもテーマを決めてのステージを続けていた




そんなある日、「ぶどうの木」は経営不振のため店をたたんだ





試行錯誤の末、僕は街角に立った

たえず流れる人の群れに向かって歌い続ける

でも「ぶどうの木」でやっていたスタイルはまったく通用しなかった

「演奏者の一方通行では通用しない」という事実を突きつけられた




そこから演奏者とお客様との相互通行のライブをめざしはじめた


今の僕のライブスタイルはそういう事情があって作り上げてきたものだ
今ではお客様とのやり取りでライブを作っていくというスタイルがすっかりイタについている



でも…
なにか忘れ物をしてきたような気持ちが心の奥底に沈められていた
そしてなにかの折にクツクツッと心の表層に顔をのぞかせていた


「ぶどうの木」閉店という外的な力のために
それまでやってきたスタイルをそこに置き去りにせざるを得なかった

そんな気がしてならなかった


もう一度だけ、あのスタイルでやらなきゃならない
置き去りにしてきたものに、
ちゃんと決着をつけ、引導を渡さねばならない


ずっとそう思い続けてきた


今回のデスペライブで
「あのころのスタイル」を再現し、
「あのころの自分」に引導を渡すことにした





テーマは「ボタンをかけちがえた男と女の別れの情景」


互いに心の中では求め合っていながら、
小さな勘違いと思い込みが膨らんでやがて大きな誤解に発展
気がついたら手の届かないところまで来てしまった

そんな物語だ


1部はこの物語を10曲の歌とMCと芝居で進めることにした

  I'll Hold You In My Heart (オープニング)

  街風便り
  交差点
  追伸
  1冊の本
  ひまわり
  坂の上の2階
  坂道で
  季節の中に埋もれて
  愛されてますか
  ダスティン・ホフマンになれなかったよ



思い通りに演奏できたかと問われると、???ではある

MCと芝居に照れが出た

10年ぶりということもあるが、それ以上にお客様の変化にあった

今目の前にいる客様は10年前のコアな人たちではない
今の自分のスタイルしか知らない人たちだ

その人たちに「あのころのスタイル」を演じてもよいものなのか?


そんなためらいが急に生まれてきたのだ



結局「芝居」を封印してしまった
(男と女の独白を演じるはずだったが部分的にしかできなかった)


それでも、1部のスタイルに「戸惑い、恥ずかしくてもそもそしてしまった」という感想を後でいただいた
(毒気に当てられた?)




1部のエンディング「ダスティン・ホフマン~」を歌いながら言いきかせていた


  これでよかったんだ
  「あのころのスタイル」は完全には再現できなかった
  でも、それは今の自分のスタイルではもうありえないんだ
  それを確認できただけで目的を達したと思うべきだ


  ♪ダースティン・ホフマンになれーなかったよ~~~♪


最後のフレーズを歌い終え、一人うなずいた


  これでいい
  これで「あのころ」に引導を渡せた





2部はまるで憑き物が落ちたような気持ちで臨むことができた
もちろん今の自分のスタイルで

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2009.09.27

3つのライブ (9月のしめくくり)

この土日に3つのライブをやった

土曜日 午前中 「朝市コンサート」
      午 後 「デスペライブwith ミツダイ」
日曜日 午 後 「あなたと花と音楽と… at JUNE」

それぞれ2ステージ・2時間フルのライブだった



「あなたと花と音楽と…」を終えて帰宅後、安堵感と疲れでうたた寝を決めこんだ





フルライブ3連発をやるにあたり、当初から気にかけていたのはモチベーションの維持だった

「朝市コンサート」~「デスペライブ」はこれまでも同じパターンだったんでさほど心配はなかった

テーマを決め、覚悟も決めて臨むデスペライブの後、緊張の糸が途切れることが何より不安だった
(デスペライブについては後日アップしたい)


なにしろ翌日の「あなたと花と~」は初めての場所で、初めての人がメインのライブ
しかも、「ティー・ルームJUNE」では今後もライブを続けていくことになっている
中途半端な演奏はできない

かといって「あなたと花と~」に意識が行くあまり、「デスペライブ」などがゆるくなってもいけない


ということで作戦を練った
『モチベーションの維持亢進大作戦』


3つのライブをそれぞれ独立したものととらえずに
3つでひとつと意識するようにした


「朝市コンサート」は序奏
「デスペライブ」につながる選曲と演奏を試みた
薪に火をつけ、じっくり炭を熾すイメージ

「デスペライブ」ではその勢いを借りて1部で爆発させる
2部では「あなたと花と~」を意識した選曲と演奏
1部で爆発した後の灰に新たな炭と風を送り込むイメージだった

一夜明けて午前中プールに浸かりながらイメージをじんわりと高めていく
残り火から新しい炭を熾すイメージ
そうしておいて「あなたと花と音楽と…」に臨んだ


『大作戦』は効を奏したように思う

それぞれのライブに新鮮な気持ちで臨むことができた
気持ちが新鮮だから全力を投じることもできた
そして何より最後まで緊張の糸を保つことができた

それぞれのライブを楽しく進めることができたのがうれしかった





今月もライブ・コンサートはこれにてとどこおりなくすべて終了

「森の音楽会」に始まり、
「寿コンサート」、
「おつきみどろぼう絵本コンサート」、
「デスペライブ」
「あなたと花と音楽と…」

毎月のレギュラーライブ(「朝市コンサート」「三貴ライブ」)を加えると今月は8本の音楽会をやった

それぞれみないい音楽会になったと思う

歌を聴いてくださったたくさんの皆様に心から感謝したい

最後は自画自賛させてもらって9月を終えよう



10月は「Live in 清津峡」で始まる

それまではしばし(といっても1週間か)充電期間にしよう

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2009.09.25

[ごあんない]コラボレーションライブ『あなたと花と音楽と』

お友達のmuumuuさんが、お花の個展を開催しています

場所は東武線・松原団地の

  ティー・ルーム JUNE

9月27日(日) 午後2時ころから

花にかこまれて「ちょっとだけライブ」をやります

題して、

  コラボレーションライブ『あなたと花と音楽と』

おいしいコーヒーを飲みながら
(一杯ずつサイフォンで入れるコーヒーは本当においしいですよ)

お花を眺めてなごみつつ
まったりと音楽に身をゆだねてみませんか

  ★ ティー・ルーム JUNE ★

東武線・松原団地駅東口下車 徒歩3~4分
草加市栄町3ー6ー9 草加ガーデンハイツ1F
048ー936ー4211

              →地図

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2009.09.20

【ごあんない】 Live in 清津峡 2009!

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今年もやってきました!

Live in 清津峡の季節が!!

いつも変わらぬあの自然、あの空気にいだかれて

音楽な一日をご一緒しませんか?

電気もねえ

ガスもねえ

たまに通るは鹿や狸

風のそよぎと、まったりした空気の中で

アコースティックな手作り音楽フェスティバル

第6回 Live in 清津峡 2009

皆さんの参加をお待ちしています!

お問い合わせはMartin古池までメールをくださるか、

この記事にコメントをください

詳細についてお知らせします

なお、mixiではこちらのページで内容の確認や、参加表明をお願いいたします

清津峡関係の記事はこちらをごらんください

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2009.09.17

【お知らせ】 ミツダイ&Martin古池 デスペラード・ライブ

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2009.09.14

「おつきみどろぼう」絵本コンサート at 葛飾柴又帝釈天

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「おつきみどろぼう」絵本コンサート at 葛飾柴又帝釈天

前日の雨模様から一転、暑い日だった
直射日光がギラギラ照りつける葛飾柴又が舞台の「絵本コンサート」

「おつきみどろぼう」という絵本を印刷し、その一節にメロディをつけライブをやる
作家のねぎしれいこ先生、出版元の世界文化社、そして印刷を担当した共同印刷関連部署がタッグを組んで実現した「絵本コンサート」
その第3弾が「おつきみどろぼう絵本コンサート」

今回は葛飾柴又の帝釈天付属ルンビニー幼稚園児40名とその保護者の方に聴いていただいた

場所は…
なんと寅さんが産湯を使ったあの葛飾は柴又の帝釈天!
帝釈天の奥にある日本庭園がコンサート会場

青々とした芝生、
多少起伏のある芝の向こうには日本家屋のたたずまい
ステージの背後には涼しげな池、池を見渡す風情ある渡り廊下
箱庭的造形美にあふれる会場

こんな趣きある舞台で歌わせてもらうなんてめったにあるもんじゃない
(10年ほど前に越谷・能楽堂で演奏して以来のことだ)

観客席は芝生の上に小さな椅子が並べてあった
ステージも幼稚園児と同じ目線で芝生の上

下見を終えて、世界文化社のN沢さんとともに柴又商店街のおだんご屋・高木屋さんに向かった
「絵本コンサート」に先立ち高木屋さんの前で路上ライブをやることになっている

高木屋さんはフーテンの寅さんの生家「とらや」のモデルになった老舗のだんご屋さん!
客でにぎわう店頭に「おつきみどろぼう」の絵本がすでに積まれている
店の奥では絵本を書いた作者、ねぎしれいこ先生と
絵を描いた花之内雅吉先生が絵本にせっせとサインをされている

名物「草だんご」をほおばりながら、世界文化社さんの担当の方々と打ち合わせをかわす

店頭に出てさっそく歌い始める
もちろんノーマイク
「おつきみどろぼうの歌」を何度かくりかえし歌うように指示が出されていた
そりゃそうだ
絵本の紹介と販売が目的だからね

でも、これは歌う側には結構きついリクエスト
4~5回も続けて歌うと、いくら自作曲でも飽きてくる
足元にたむろして聞いてる子供たちは

  またぁ?
  おんなじ歌ばっかり歌ってる

と、からかいだす

アレンジをさまざまに変えて歌うことにする
アップテンポにしたりミディアムテンポにしたり、スローテンポも試みた
もとはロックンロール風のアレンジにしてある
これをカントリー風にしてみたり、デキシーランドやラテン風にしてみたり…

さながら歌う広告塔だった

20分経過したところで、絵本の読み聞かせにバトンタッチ
読み聞かせは読書アドバイザーのベテランYさん
説得力ある読み聞かせに、集まった子供たちは目を輝かせる

ふたたび歌のコーナーに突入
今度は他の歌も織り交ぜる

演奏中、僕の地元越谷・蒲生の友人Sさん、R子さんが通りかかり目で挨拶
思いもかけぬ応援はうれしかった

強い陽差しと照り返しでグロッキー気味になりながら小一時間の路上ライブは終了

高木屋さんで皆さんと昼食をとり、そそくさと帝釈天に向かう
(昼食に出していただいた茶飯、赤飯とおでんの取り合わせは最高の美味だった)

帝釈天の日本庭園に入るとすでに園児たちが集まり始めていた

それにしても暑い!
園児たちも直射日光にさらされている
短期決戦でやることにした

帝釈天でのコンサートは
まず作家のねぎし先生による読み聞かせから

読み聞かせの間、僕は子供たちを観察しライブスタイルを決めた

今日の子供たちは現代っ子っぽい
素直におとなしく聴いている感じではなさそうだ

おもしれぇ!
望むところだ!

肉弾戦で切り込んでいくことにした

ご挨拶もそこそこに、「おつきみどろぼうの歌」
くりかえしの部分を刷り込もうと「歌唱練習」を子供たちに強要する

  こっそり こっそり
  こっそり こっそり
  お月様も こっそり
  おだんご たべた

というくだりを何度も一緒に歌ってもらう

今回のコンサートの目標!
子供たちとお母さん方の脳裏にこの歌を刷り込むこと
夜、布団の中で呪文のように「こっそり こっそり…」と出てくれば大成功
同時にその時絵本の絵柄がふわーっと浮かんでくれば、言うことなし
なんだが…

ライブの間に何度か「おつきみどろぼうの歌」をはさむことにしてスタート

  手のひらに太陽を
  蚊の歌
  ハエ・ハエ・ハエ!
  お化けの歌~おつきみどろぼうの歌(メドレー)
  大きな古時計
  崖の上のポニョ
  おつきみどろぼうの歌
  

まっすぐにこちらを見つめて一生懸命聴いてくれる子もたくさんいる
なんとなく視線がかみ合わない子も何人かいる
そして悪態をついて茶々を入れる子も何人かいる
悪態をつくのは興味がある証拠
こういう子たちが面白い
彼らをターゲット(というか生贄?)にする
彼らの視線をまっすぐこちらに向かわすことができればライブは成功

悪態に対しては毒で対応
それは言葉だったり表情だったりする
そして毒を吐いた後はタイミングを見計らって満面の笑みでフォロー

同時に視線のかみ合わない子達にも満遍なく、頻繁に視線を投げる
「君のために歌ってるんだよ」というオーラを投げかける
恥ずかしそうにだが、徐々に視線を合わせてくれるようになる

そうやって何度も揺さぶりをかけながら、
同じ目線で歌ったり、立ち上がったり、時には子供たちの中に分け入って歌う

最後の「おつきみどろぼうの歌」ではほとんどの子が大声で歌ってくれた
悪態をついた子供たちは得意満面、大声で歌ってくれた
(そうそう、君たちだよ! 左から3番目と4番目の子!)

夕べは夜中にさだめし「こっそり こっそり」の悪夢にうなされたことだろう(笑)

炎天下の「おつきみどろぼう絵本コンサート」は熱射病で倒れるものもなく無事終了

楽しく、熱い(暑い)コンサートだった

コンサート終了後、後片付けをしている僕にたくさんの子供たちが握手を求めてきた
悪態君たちや恥ずかしがり屋さんたちもその中にいた

最後にふたたび高木屋さんへ
コアラ・ネットというケーブルテレビの収録のため、もう1度「おつきみどろぼう」を歌うためだ

録画用と思っていたのだが、たくさんの通行人に取り囲まれる
そうなるとただ歌うだけじゃすまなくなるのが「街角の歌芸人」の悲しいサガ?
ギターを抱え、お客さんの顔を見た瞬間、本気のライブモードに突入してしまう

本の紹介やらおつきみどろぼうの風習やらを語る
「おつきみどろぼう」の背景を知ってもらわなければ
歌ってもなんじゃこりゃっ(?)てなことになってしまう
うれしいことにそんなトークに反応してくれるお客さんもいる
場の空気が一気にアットホームに

1曲だけのストリートライブだったが、集中したいいライブになった

全スケジュールが終わる
クタクタだった
でも深い満足感と余韻に浸ることができた

「絵本コンサート」を企画、協力してくださったすべての方に感謝!
とりわけ世界文化社のN沢さんにはSpecial Thanks!

僕が現役の印刷マンでいられるのもあと数年
この数年の間に何冊の絵本ができ、何曲の歌が作られるか
そして何回、こういうコンサートが企画できるだろう

早くもそんな夢と妄想を抱きながら帝釈天を後にした

続きを読む "「おつきみどろぼう」絵本コンサート at 葛飾柴又帝釈天"

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朝市コンサート 友、遠方よりきたる

コンサート開始20分もした頃、音楽友達ケンケンがやってきてくれた
事前に連絡があったので来訪は分かっていたが、なにしろ1時間半ほど電車に乗って来るわけだ
しかもそこから徒歩20~30分
ちょっと心配していた

案の定5時半には起き出し、一番列車で8時には新越谷駅に降り立っていたという
そして心配どおり、道に迷い流通団地の中を1時間もさまよい歩いたという

ケンケンはLive In 清津峡で知り合ったイキのいい若者だ
今年のLive In 清津峡にかける意気込みは並大抵のものではない
その思いを抑えられず、「朝市コンサート」をのぞきに来たものと思われる

友、遠方より来たる
また楽しからずや

うれしいもんだ


「朝市コンサート」の方は特別なことはせずに(いいとこ見せようとせず)
いつもどおりに進行するように努めた

最近は30分ずつの3部構成にすることが多い

1部は季節の歌や、今歌いたい歌が中心
2部はちょっと企画モノをやる
3部はカントリーコーナー

こんな構成が定着してきた


今回2部の企画モノは「演歌・古めの昭和歌謡」をやった
先週の「寿コンサート」ですっかり昭和歌謡や演歌づいてしまった


演歌といっても僕が歌うんだから演歌歌手のようにはいかない
自分のフィルターを通してどちらかというとライトタッチの演歌に仕上がる
またそういう傾向の選曲が多くなる

2部、今回の目玉は「愛燦燦」

マイクなしの室内という状況で初めてやった歌
あの時は声を抑えて心のひだにしみこむようなイメージで静かに淡々と歌った

今回はマイクを使う
この歌が持っているドラマチックな要素を少し意識した
1~2番は抑え気味でノーマイクの時と同じような気持ちで歌う
3番は少しずつ持ち上げていき、サビのリフレーンでピークになるように歌い上げた

まだこなれるまでにはいろいろ試さなきゃならないと思う
でもいい感触で歌うことができた


カントリーコーナーでは初披露した歌がある

I Just Love To Sing

トミ藤山さんが書いたデキシーランド調の歌だ

ギター1本でデキシーランドは難しいものだ
でもデキシーランド調は崩したくないので研究中の歌だったが、リズムと歯切れを意識して挑戦してみた

(翌日、トミさんご本人による「I Just Love To Sing」をコンサートで聴いた 。ピアノ+ベース+ドラムにギターが2本の構成。やはりデキシーランドの感じが心地よかった)

残念ながら、こちらの方はまだまだ研究と練習が必要
あえなく溺死―乱奴で討ち死とあいなった


ケンケンには普段着の「朝市コンサート」を見てもらいたかった
いいとこ、悪いとこあったと思うがどんな目で見てもらえたろうか…

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2009.09.11

あさって 帝釈天の境内で「おつきみどろぼう」ミニライブをやります

明日 ,13日(日) お昼から

葛飾柴又帝釈天の庭園と柴又のおだんご屋さんの前でミニライブをやります

先日印刷した「おつきみどろぼう」という絵本に歌を作りました

作家のねぎしれいこ先生の詩に、メロディをつけたんです

絵本の出版元・世界文化社が今回もライブをセッティングしてくださいました

ねぎし先生の絵本読み聞かせと僕のライブをセットにしたものです


昨年の「おせちのおしょうがつ」に続いて、第2弾!

(いや今年の正月もやったんで第3弾!!)

今回は柴又の幼稚園児40名とそのお母さんが対称です


先週は老人を対象に歌い、今週は幼稚園児を相手に歌う
われながらこの年齢のギャップにあきれてしまいます

でもたのしみ
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2009.09.08

今年も寿コンサート 元気なり、地元のジジ・ババたち

今年も蒲生寿町の老人会で演奏させてもらった

「敬老の日」企画

題して「寿コンサート」

寿町の老人たちの長寿を願ってのネーミング

にしてもなんておめでたい町名!

実はボクはかつて寿町に十年以上住んでいた
様々な思い出がしみついた町

その町で演奏するのだから気合いも入る

今年は去年よりも人数が増えて四十人を超える集い
喜ばしいことだ
(ばぁちゃんが圧倒的多数というのがなんとも…)

オープニングはカントリー調にアレンジした「なんとなくなんとなく」

軽快な曲調に合わせて手拍子もとびだす

昭和の歌謡曲を中心に進める

 「私の青空」~「りんごの木の下で」~「月光値千金」

笑顔がはじけのっけから一緒に歌ってくれる
いい雰囲気だ
去年のコンサートの始まりはちょっと胡散臭げ、いぶかしげな表情で迎えられた

  なにものだ?
  この兄ちゃんは?

今年は最初から笑顔で迎えてもらえた

笑顔に勝る歓迎はなし!

童謡を2曲歌う

  「赤とんぼ」~「小さい秋見つけた」

僕にとっては初めての試み
「かざぐるま」時代は当たり前のように童謡や唱歌を演奏していた
ソロにもどってからは意識的に童謡や唱歌を避けてきた
ご老人相手の「慰問」で童謡・唱歌に頼るのは安易に過ぎる
そんな自戒があるためだ

「年寄りが喜ぶ音楽=童謡・唱歌」

そんな風潮が全般的にあるのは事実だ
そう決めつけるのは一面的であり、人生の旅路を歩き続けてきた先達に対して失礼な気がする

今回はどうしても歌いたかった
「寿コンサート」の中で親の世代の方々がたどった足跡を歌でたどれればと思っていた
幼少時代~青年期~中年~老年
人生のそれぞれを歌でなぞってみたいと思っていた
そうすると童謡は避けて通れない

おりしも前日、八ヶ岳で吉田まさみ君歌った童謡の数々が心に残っていた

「赤とんぼ」を歌いだすと皆さん自然に口ずさみ始める
歌が進むにつれて声は次第に大きくなり楽しそうに歌う
僕の中にあった「こだわり」はじいちゃん、ばあちゃんの邪気のない笑顔にこっぱみじんに粉砕されてしまった

リクエストもあり歌ったのは演歌

  「悲しい酒」~「津軽海峡冬景色」~「函館の女」

「悲しい酒」を歌いだすとそれまでの和気あいあいの空気が急に変わった
座が急に静かになる
僕の歌に合わせて口ずさむ人
  遠い目をして何かを見ている人
  目をつぶって聴いている人
僕はあえてテンポを落とし、ギターも声も抑えに抑えて歌った

「悲しい酒」という歌の持つ‘力’を感じずにいられない
それまで「ばあちゃんの顔」だった人が「女の顔」に変わる
そう感じたのは僕の深読みだろうか

それほどまでに「悲しい酒」という歌には力があり、たくさんの人の心に刻まれているんだろうな

「悲しい酒」を歌い終え、空気を変える必要があった

「津軽海峡冬景色」~「函館の女」を歌うにあたり、僕は大いにしゃべった
故郷・函館と内地を隔てる津軽海峡に対する北海道人の思いや、それにまつわる自分の青春時代の話を
北海道から内地にやって来て、やがてこの街・蒲生に流れ着いたあれこれだった

人生の先達たちと音楽会をやる時、「しゃべり」は大きな役割を持っていると思う
たいてい、先達たちは演奏をそのまま受け入れてくれる
にこにこしながら「ありがとう」と言ってくれる

でも、もう一歩も二歩も突っ込んだ音楽会にしたい
長い人生の道のりの中で深く静かに沈めてきたいろんな思いのほんの一端を引きずり出すことができたら
それにはただ歌うだけではダメだ

その歌に対する自分の思い
その歌の背景にある時代について
ストレートにテンポ良くしゃべるようにしている

ひとりよがりに陥る可能性もなくはない
でもうまくいった時、ライブは生き生きとしてくる

寿町のご老人たちは見事にライブに命を吹き込んでくれた

コンサート終盤に「おつきみどろぼうの歌」を披露する
この歌は先日印刷したばかりの「おつきみどろぼう」という本の作家ねぎしれいこ先生の書いた詩に僕が曲をつけたもの
絵本作家+出版社+印刷会社がタッグを組んだ業界でも珍しい試みの中から生まれた歌だ

歌に合わせて手拍子をいただく

「調子がよくて、おぼえやすい歌だわねぇ」

とのおほめの言葉をいただく

「お孫さんにこの本をプレゼントしてあげてくださいな!」

と、本の宣伝をしてエンディングへ

ラストソングは「愛燦燦」を選んだ
以前音楽友達・さすらいのギタリストさんが歌っているのを聴いて心動かされた
いつかどこかで歌おうと思いながら、暖めていた歌

今、このじいちゃん・ばあちゃんに歌わずしていつ歌うんだ!

そう思いながら静かに静かに歌う
ギターも歌もあえて音量を抑える
語るように、ささやくように歌う

今この瞬間どんな歌い方が一番適しているのか

以前はそんなことを強く意識しながら歌っていた
最近はその時一番いい歌い方が自然にできるようになってきた
見えない力がはたらいて自分を動かしているような感じになることがある
むろん頻繁にあるわけではない
ひとつのライブのキメの歌・キメの瞬間、自然にそうなることが多い

歌が会場を渡り、じいちゃん・ばあちゃんに吸い込まれていくような気がした

今年もいいライブにしていただいたなぁ

感謝しながら会場を後にした

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2009.09.07

あすなろ 森の音楽会

僕と吉田政美君が二郎小屋に到着したのは昼下がりだった

八ヶ岳の山麓には秋の陽射しが柔らかくさしていた

僕たちを迎えに小屋の中から懐かしい顔が次々出てくる
あすなろ山の会のメンバーたちだ

テラスに腰を下ろし、朝焼いたという山盛りのシシャモで乾杯

ゆったり時間が流れる

ほどなく、甲府のチャーリーさんが到着
チャーリーさんはブログ「街角の歌芸人」を読んでくださり、参加の運びとなった
僕と同年代のギター弾き語リストだ
若いころはバンド活動をやられていたそうだが、いつでもどこでも演奏できる良さを目指し弾き語りに方向転換されたそうだ
チャーリーさんのワゴン車には楽器はもちろんだが
鍋釜、寝袋といった生活用具一式を積み込んでいらっしゃる!
このワゴン車1台でどこにでも出かけれ、どこでも演奏できる

まさに、僕の理想とするスタイルを実践されている方だ

遠慮なさるのをなかば強引に出演をお願いした

夕方になり、もう一人の出演者・原田さん夫妻が到着
原田さんは僕の岩登りの先生
同時に山遊びの同志でもある
それぞれの子供たちが同じような年なので、その昔はお互い一緒に子連れ山旅をやった
ここ数年原田さんもギターの弾き語りをやっている

出演者がそろったところで、「あすなろ森の音楽会」の幕が切って落とされた

オーディエンスは山の会のメンバーを中心に十数名
彼らは一昨年までやっていた「森の音楽祭」10年間を影で支えてくれていた人たちだ
初めてちゃんとしたオーディエンスとして演奏を聴くことになる
今までは焼き鳥を焼きながら、豚汁を作りながら片耳で聞いていてくれたのだ

今回のステージは小屋のテラスの一角
思い思いに腰を下ろし、酒を飲みつつ談笑しつつ聴いてくれる

テラスの下には去年までの屋根付きの立派なステージ

ステージから一方通行の演奏するのではなく、演じ手と聴き手が渾然一体となりながら進める音楽会が今回の「森の音楽会」のねらい

それには音楽会の規模もコンパクトなものにしなければならない

つまり12年前にめざした原点に立ち返ったことになる

音楽会はMartin古池をメインに、原田さん、チャーリーさんと進められた
再び僕の順番になり、不思議なことに気がついた

歌声もギターの音もよく回るのだ
ノーマイクの音楽会
当然モニターなどあろうはずがない
なのに自分の出した音が微妙なズレで耳に入ってくる
それは微妙であり絶妙であった

まるでサラウンドスピーカーか、天然のリバーブのようだった

おそらく周囲の樹木の反響であり、小屋の木壁の反響のためだろう

天然リバーブは声を張るとわからない
むしろ音を抑えれば抑えるほど効果がある

PAを使用し、スピーカーから大音響を響かせた過去2回の森の音楽祭
僕たちは自然の音響効果のすばらしさに気がつかずにいたことになる

スピーカーから出直線的な大音量は微妙な波動を持つ天然リバーブを打ち消していたのだ

そのことに気がつき、僕はあえて声量を絞った
絞るためにあえてキーを落として歌った
ギターもピックをやめてフィンガーにした

普段の半分以下音量なのに、ちゃんとオーディエンスまで届けられている

なんと、小屋を挟んで20メートル先の道路にまで音は届けられているそうだ

目が洗われる思いだった

往々にして声を届けるため僕たちは大きな声を出そうとする
でも、もしかしたらそれは逆効果なのかもしれない

この点はもっと試してみなければ何ともいえないが、新しい発見に僕は有頂天になっていた

たっぷりと歌った後は吉田政美君にトリをつとめてもらった

政美君は童謡を中心に歌う
素直でストレートな声が森の中に吸い込まれていく
最後を締めくくるステージにふさわしい歌声だった

もちろんアンコールは「千の風にのって」~「夏の終わりのハーモニー」

二人のハーモニーは森の樹木にはねかえり、樹木の間を縫って返ってくる

気持ちのいいことこの上なし

オーディエンスのみなさんも心地よさそうに聴いている

スタンディングオベーションが鳴り止まぬうちに静かに歌は「あすなろの歌」

スタンディングオベーションは合唱に変わっていく

5時間の長丁場だった「森の音楽会」
最後は感動的な雰囲気の中で終えることができた

第11回森の音楽祭であり、第1回森の音楽会でもあった

来年がどういう形になるかはわからない
でも、必ずまたこの場に集まりたい

強く願ったエンディングだった

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2009.09.01

【好きな歌】 Crazy

ウィリー・ネルソンの書いた失恋ソング。

いろんな人がカバーしているらしいが、僕はウィリーのオリジナルしか聞いたことがなかった。

きれいなメロディだとは思っていたが、それほど胸に来ることはなかった。

一昨年、トミ藤山さんのアルバム「Lonly Together」に収録されている「Crazy」を聴いた。

胸にグッと来るものがあった。

ウィリーのバージョンとは別物だった。

ウィリーはミディアムテンポでそっけなく歌っている印象だが、
トミさんのはテンポをグッとおさえたスローバラード。

これがたまらなく切ない。

レパートリーにすべくさっそく稽古を始めた。

が、これがなかなか難しい。
サビや間奏でどうしても走ってしまう。
気がつくと、ウィリーのテンポにまで上がってしまう。

スローバラードを歌いこなすってのは至難のワザ

そう思いながらひそかに稽古を積んだ。

この歌を人前で初めて歌って、今日でちょうど1年になる。

昨年の夏、「へたくそ親父のギター弾き語り」の落合キャンプで披露したのが最初だった。

今思うとひどい出来だった。

録音は残していないが、たぶん歌っているうちにテンポがガンガン上がっていたと思う。

リズムパターンも2ビートのカーター・ファミリー・ピッキング。

情緒もなにもありゃしない。

それでも、たまたまそこに居合わせた人からおほめの言葉をいただき、その気になった。

もしかしたら
イケルんでないかぃ?

「Crazy」との格闘が始まった。

とにかくライブのたびに歌い続けた。

特に選曲の制約がない限り、必ず歌った。

時々は録音して、イメージと実際のギャップを埋めようとした。

思い通りに歌えぬまま月日が経った。

人前で歌うことおよそ50回。練習も含めると何回歌ったことか・・・

思い通りに歌えぬ日々が続いた。

お・

ここにきて、ようやっと自分のイメージと実際の演奏が近づいてきた。

ちょうど1年、

おりしも「へたくそ親父のギター弾き語り」のオフ会が一昨日あった。

ここで、1年目の経過点として歌った。

まずまず、満足のいくデキだった。

ひとつの歌を自分のものにするまでべらぼうな時間がかかる。

残念なことにあまり器用な方ではない。

時間をかけて実践の中で少しずつ仕上げて行くしかない。

しつこく、しつこく歌うしか自分のものにすることができない。

でも、そうすることでこの歌をますます好きになった。

そして、トミ藤山さんバージョンだけではなく、ウィリー・ネルソンのオリジナルバージョンもまた好きになっている。

でもめざすのはMartin古池バージョン。

「Crazy」との格闘はまだまだ続くことになりそうだ。

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