「おつきみどろぼう」絵本コンサート at 葛飾柴又帝釈天
「おつきみどろぼう」絵本コンサート at 葛飾柴又帝釈天
前日の雨模様から一転、暑い日だった
直射日光がギラギラ照りつける葛飾柴又が舞台の「絵本コンサート」
「おつきみどろぼう」という絵本を印刷し、その一節にメロディをつけライブをやる
作家のねぎしれいこ先生、出版元の世界文化社、そして印刷を担当した共同印刷関連部署がタッグを組んで実現した「絵本コンサート」
その第3弾が「おつきみどろぼう絵本コンサート」
今回は葛飾柴又の帝釈天付属ルンビニー幼稚園児40名とその保護者の方に聴いていただいた
場所は…
なんと寅さんが産湯を使ったあの葛飾は柴又の帝釈天!
帝釈天の奥にある日本庭園がコンサート会場
青々とした芝生、
多少起伏のある芝の向こうには日本家屋のたたずまい
ステージの背後には涼しげな池、池を見渡す風情ある渡り廊下
箱庭的造形美にあふれる会場
こんな趣きある舞台で歌わせてもらうなんてめったにあるもんじゃない
(10年ほど前に越谷・能楽堂で演奏して以来のことだ)
観客席は芝生の上に小さな椅子が並べてあった
ステージも幼稚園児と同じ目線で芝生の上
下見を終えて、世界文化社のN沢さんとともに柴又商店街のおだんご屋・高木屋さんに向かった
「絵本コンサート」に先立ち高木屋さんの前で路上ライブをやることになっている
高木屋さんはフーテンの寅さんの生家「とらや」のモデルになった老舗のだんご屋さん!
客でにぎわう店頭に「おつきみどろぼう」の絵本がすでに積まれている
店の奥では絵本を書いた作者、ねぎしれいこ先生と
絵を描いた花之内雅吉先生が絵本にせっせとサインをされている
名物「草だんご」をほおばりながら、世界文化社さんの担当の方々と打ち合わせをかわす
店頭に出てさっそく歌い始める
もちろんノーマイク
「おつきみどろぼうの歌」を何度かくりかえし歌うように指示が出されていた
そりゃそうだ
絵本の紹介と販売が目的だからね
でも、これは歌う側には結構きついリクエスト
4~5回も続けて歌うと、いくら自作曲でも飽きてくる
足元にたむろして聞いてる子供たちは
またぁ?
おんなじ歌ばっかり歌ってる
と、からかいだす
アレンジをさまざまに変えて歌うことにする
アップテンポにしたりミディアムテンポにしたり、スローテンポも試みた
もとはロックンロール風のアレンジにしてある
これをカントリー風にしてみたり、デキシーランドやラテン風にしてみたり…
さながら歌う広告塔だった
20分経過したところで、絵本の読み聞かせにバトンタッチ
読み聞かせは読書アドバイザーのベテランYさん
説得力ある読み聞かせに、集まった子供たちは目を輝かせる
ふたたび歌のコーナーに突入
今度は他の歌も織り交ぜる
演奏中、僕の地元越谷・蒲生の友人Sさん、R子さんが通りかかり目で挨拶
思いもかけぬ応援はうれしかった
強い陽差しと照り返しでグロッキー気味になりながら小一時間の路上ライブは終了
高木屋さんで皆さんと昼食をとり、そそくさと帝釈天に向かう
(昼食に出していただいた茶飯、赤飯とおでんの取り合わせは最高の美味だった)
帝釈天の日本庭園に入るとすでに園児たちが集まり始めていた
それにしても暑い!
園児たちも直射日光にさらされている
短期決戦でやることにした
帝釈天でのコンサートは
まず作家のねぎし先生による読み聞かせから
読み聞かせの間、僕は子供たちを観察しライブスタイルを決めた
今日の子供たちは現代っ子っぽい
素直におとなしく聴いている感じではなさそうだ
おもしれぇ!
望むところだ!
肉弾戦で切り込んでいくことにした
ご挨拶もそこそこに、「おつきみどろぼうの歌」
くりかえしの部分を刷り込もうと「歌唱練習」を子供たちに強要する
こっそり こっそり
こっそり こっそり
お月様も こっそり
おだんご たべた
というくだりを何度も一緒に歌ってもらう
今回のコンサートの目標!
子供たちとお母さん方の脳裏にこの歌を刷り込むこと
夜、布団の中で呪文のように「こっそり こっそり…」と出てくれば大成功
同時にその時絵本の絵柄がふわーっと浮かんでくれば、言うことなし
なんだが…
ライブの間に何度か「おつきみどろぼうの歌」をはさむことにしてスタート
手のひらに太陽を
蚊の歌
ハエ・ハエ・ハエ!
お化けの歌~おつきみどろぼうの歌(メドレー)
大きな古時計
崖の上のポニョ
おつきみどろぼうの歌
まっすぐにこちらを見つめて一生懸命聴いてくれる子もたくさんいる
なんとなく視線がかみ合わない子も何人かいる
そして悪態をついて茶々を入れる子も何人かいる
悪態をつくのは興味がある証拠
こういう子たちが面白い
彼らをターゲット(というか生贄?)にする
彼らの視線をまっすぐこちらに向かわすことができればライブは成功
悪態に対しては毒で対応
それは言葉だったり表情だったりする
そして毒を吐いた後はタイミングを見計らって満面の笑みでフォロー
同時に視線のかみ合わない子達にも満遍なく、頻繁に視線を投げる
「君のために歌ってるんだよ」というオーラを投げかける
恥ずかしそうにだが、徐々に視線を合わせてくれるようになる
そうやって何度も揺さぶりをかけながら、
同じ目線で歌ったり、立ち上がったり、時には子供たちの中に分け入って歌う
最後の「おつきみどろぼうの歌」ではほとんどの子が大声で歌ってくれた
悪態をついた子供たちは得意満面、大声で歌ってくれた
(そうそう、君たちだよ! 左から3番目と4番目の子!)
夕べは夜中にさだめし「こっそり こっそり」の悪夢にうなされたことだろう(笑)
炎天下の「おつきみどろぼう絵本コンサート」は熱射病で倒れるものもなく無事終了
楽しく、熱い(暑い)コンサートだった
コンサート終了後、後片付けをしている僕にたくさんの子供たちが握手を求めてきた
悪態君たちや恥ずかしがり屋さんたちもその中にいた
最後にふたたび高木屋さんへ
コアラ・ネットというケーブルテレビの収録のため、もう1度「おつきみどろぼう」を歌うためだ
録画用と思っていたのだが、たくさんの通行人に取り囲まれる
そうなるとただ歌うだけじゃすまなくなるのが「街角の歌芸人」の悲しいサガ?
ギターを抱え、お客さんの顔を見た瞬間、本気のライブモードに突入してしまう
本の紹介やらおつきみどろぼうの風習やらを語る
「おつきみどろぼう」の背景を知ってもらわなければ
歌ってもなんじゃこりゃっ(?)てなことになってしまう
うれしいことにそんなトークに反応してくれるお客さんもいる
場の空気が一気にアットホームに
1曲だけのストリートライブだったが、集中したいいライブになった
全スケジュールが終わる
クタクタだった
でも深い満足感と余韻に浸ることができた
「絵本コンサート」を企画、協力してくださったすべての方に感謝!
とりわけ世界文化社のN沢さんにはSpecial Thanks!
僕が現役の印刷マンでいられるのもあと数年
この数年の間に何冊の絵本ができ、何曲の歌が作られるか
そして何回、こういうコンサートが企画できるだろう
早くもそんな夢と妄想を抱きながら帝釈天を後にした
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