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2009.08.07

【音楽雑感】路上=街角ライブ

【音楽雑感】
「私のライブシリーズ」もいよいよ最終章、路上ライブ=街角ライブ編


僕が街角ライブに重点を大きく置いて歌い始めたのは40代後半だった

それまでは長い間ライブハウス「ぶどうの木」でのソロライブや、
市の公民館などで「オカリナアンサンブル かざぐるま」の一員として演奏してきた

  音楽活動の第1歩は高校時代、路上や公園・駅前広場が活動場所だった
  でもこれは新宿西口のフォークゲリラに憧れてのスタイルだけの模倣だった

40代後半=人生の「秋の時代」にもなり、なぜあえて街角に立つのか

アンちゃん連中に混じっておっさんがただ一人路上で歌う姿は情けないよ

たくさんの人からそんな質問や意見を投げかけられた

たしかに目だっていた

足を止めてくださる方の中にはご親切にも


  リストラにでもあったかい?
  食いつめて歌を歌うしかなくなったかい?


真顔でそう聞きながらポケットに千円札をねじ込んでいった人もいたぐらいだ
歌い始めの頃はかなり奇異な目で見られていたのかもしれない

そんな年になってから、あえて路上にうって出たのにはワケがある

長い間ライブハウスなどで歌っていたが、心の中に疑問が少しずつたまってきていたのだ


  お客さんに守られて歌っているオレ
  ここでしか通用しないんじゃないか?
  音楽に縁遠い不特定多数の人たちには通用しないんじゃないか?

  オレが求めてたのは暮らしに根ざした音楽だった
  ライブハウスのように音楽を聴くという目的ではなく
  もっと当たり前の日常の中で歌うべきなんじゃないのか
  もっと、もっと音楽の敷居を低くしなきゃダメなんじゃないか

そんな思いが徐々に生まれ、頭の中を渦巻き始めた

おりしも「ぶどうの木」は経営に行き詰まり店をたたんだ
出演させてもらえる他のライブハウスをあえて探さなかった


路上、それも自分の暮らす街角で、不特定多数の人に自分の歌を問いたい


そんな思いにとりつかれていた

東武線・新越谷と武蔵野線・南越谷の交差するコンコース
ここを「街角ライブ」の場として選んだ

この場所で毎週土曜日の夜歌い続けた
夜7時頃に歌い始め、最終電車がなくなるまで
びっちり5時間歌い続けた


「かざぐるま」での活動のかたわら5年ほど街角ライブを続けた

奇異の目で見られたこともあるし、黙殺されることは当たり前
ナンクセをつけられ、ちょっとしたトラブルに巻き込まれたこともある

様々なことが起こり、そのたびに一喜一憂しながら歌い続けた


「継続は力なり」とはよく言ったもんだ

毎週土曜日、しつこくしつこく歌い続けるうちに聴いてくださる方が増えていった

2年くらいたった頃からオーディエンスがとぎれることがなくなった
時には人の垣根ができてちょっとしたライブハウスのようなノリになることもあった

すっかり定着した「街角ライブ」だったがある時期突然の警察の介入があった

東武鉄道所有地内での演奏、および公共設備内での演奏は禁ずるということだった


確かにコンコース内は無政府状態になりつつあった
演奏する若者数も急に増えた
中には傍若無人にふるまう若者も多かった


でも公共の場を勝手にお借りしての街角ライブ
所有者からのクレームに対して、撤退を余儀なくされた


自分の可能性への挑戦の数年間だった
「街角ライブ」で得たものははかりしれない

今レギュラーでやっているライブは「街角ライブ」を続けていたからこそ生まれてきたものばかりだ


人生の「秋の時代」だからこそ、もう一度自分の可能性に挑む
あらたな夢を見ることができるということを身をもって知ることができた

今は駅頭での「街角ライブ」は滅多にやらない
興味がなくなったわけではなく、単純に時間の問題だ

今はむしろ朝市コンサートや三貴ライブの精度を高めることに意識がいっている
精度を高めるために費やす時間を大切にするべき時だと思っている

でも、朝市コンサートや三貴ライブにも、そしてすみれコンサートにも
「街角ライブ」の精神が脈打っている

これらのライブをちゃんと続けていくことが「街角ライブ」を続けていくことにつながると、今は思っている

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