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2009.05.14

坊主袈裟着て踊り出す  トミ藤山さん お寺でカントリーライブ

トミ藤山さんがお寺でライブをやると聞き足を運んだ

興味がわいた

お寺でアメリカンミュージックのカントリーをやる
はたしてどんなライブになるのだろう
興味津々だった

僕も以前お寺の本堂でライブをさせてもらったことがある
カトリック教会の聖堂で演奏したこともある
「聖なる場所」は独特の雰囲気がある
その雰囲気に自分を同化させるべきか
はたまた自分の色を全面に出すかで迷い、四苦八苦した記憶がある

トミさんがどういうアプローチで臨み、どういう風にライブを組み立てていくのか?
激しく興味がわいた
このライブは見逃せないと思った

定刻30分ほど前
新宿西口の高層ビルの谷間にたたずむ常円寺に到着

中に入るとシャンソン歌手の小池薫さんが歌っていた
なんと袈裟をモチーフにした衣装に身を包んでいた

ステージの背後には白い花とろうそくで飾られた祭壇があり、お釈迦様を祭っている

会場全体に線香のにおいが蔓延している

オーディエンスのほとんどはご年配の方で、みな檀家さんだと思われる

袈裟に身を包んだお坊さんが数人神妙な顔で座っている


  こ、これは・・・


思わず絶句


トミさんは会場の一番後ろに腰を下ろし、周囲に気づかいながらも何やら考えている
表情が硬い

僕を見つけると隣に座らせ、堰を切ったようにしゃべりだす
おなじみのマシンガントーク


  あんたさ
  こりゃあ、難しいワ!
  この雰囲気でカントリーってのは場違いだね
  まさかいきなり「ジャンバラヤ」でもないし
  いや、まいったなぁ


そうまくしたてる

まくしたてながら、頭の中は猛烈な勢いで回転しているように見受けられた
おそらくいろんなシュミレーションを組み立てては崩していると思われた


いよいよトミさんのステージが始まる

いや、その前に坊さんが3人祭壇の前に立ち般若心経を唱え始める
会場全体がそれに唱和する


般若心経の「シングアウト」が終わり、石川真紀さんのチョット・アトキンスのギターインスト
うながされるようにトミさん登場

戸惑いの表情はおくびにも出さず、満面の笑み

オープニングは「カントリーロード」
歌い進めるうちに会場から手拍子が沸き起こる

引き続き
「峠の我が家」や「Help Me Make It Through The Night」

聴き入るオーディエンス

演奏は一転してリズミカルな「カントリーポルカ」


僕の目にはすっかりトミさんのペースが出来上がったように見えた

さらにお客様の心をつかみにかかるトミさん

「影を慕いて」「りんご追分」や新内流しなど日本調歌謡

ふたたびカントリーに戻り「ジャニーギター」
エンディングはいつもどおり「テネシーワルツ」

拍手は鳴り止まず、やがてアンコールの拍手に

ノリのいいジャズナンバー「素敵なあなた」を歌いだすと、ふたたび手拍子が湧き上がる
じいちゃん、ばあちゃんまでもが目を細めて手をたたいている

驚いたのは、般若心経では神妙な顔をして木魚をたたいていた坊さんが袈裟姿でステップを切り出したことだ
袈裟のすそがゆれて、白足袋が細かいステップを刻む

初めて見る光景!

やはりトミさんはすごかった!

おそらくステージの進行など何も考えずに臨まれたものと思われる
お客様の反応を見ながら歌もMCもどんどん切り替えていったんだと思う

そして最後は完全にトミさんワールドを作り上げ、お客様の心をつかんでしまう

意識的にそうされているというよりも、「歌の神様」に背中をおされて自然にそうなっているんだと思う

そして、そんなトミさんに飄々と合わせていく石川真紀さんもすごいとあらためて感じた


「アウェイをホームに変える」というのが僕にとても大きなテーマ

「場違い」のところでもしっかり演奏しきる
さらに、お客様の心をしっかりとつかみ楽しませる

トミさんのステージはまさにお手本そのものだった


いいライブを観させていただいた

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