気合が入っていた
準備段階からこのデスペラード・ライブに期するものがあった
ここ7~8年
ライブハウスなどでの演奏をかたくなに拒んできた
歌う「場」はことさらに人があまり演奏しない場所を選んできた
駅頭や公園での「街角ライブ」
買い物客が行きかう中で「朝市コンサート」
営業中のモスバーガー店舗での「モスライブ」
お好み焼きを焼きながら一杯気分の客を相手に「三貴ライブ」
美容室での「すみれコンサート」
etc…
ほとんど偏屈と思えるほど、こういう場所を選んで歌ってきた
ワケがあった
それまで十数年続けてきたライブハウスでのお客さんに守られての演奏に慣れ過ぎた自分を鍛え直したかった
ライブハウスに来るお客様はみな自分の歌を聴きに来てくださる
皆さん2時間に詰め込まれた「古池ワールド」を堪能してくださる
自分のやりたいことを、やりたいままにステージを組んだ
(「フォーク寄席」と銘打ったこともある)
でも…
それは自分の可能性を狭めることじゃないか
コアな客に頼り、やりたいことだけをやるばかりじゃ、いずれジリ貧
工夫やテーマにも限界がある
コアな客はいつまでも自分を守ってはくれない
もっと幅が必要だ
そんなことを考え続けていた
おりしもレギュラー出演していたライブハウス「ぶどうの木」が店を閉めた
これをきっかけに街に出た
不特定多数の人に自分の歌を聴いてもらおうとした
まったく見知らぬ人に受け入れてもらえて、初めて歌に力がつくんじゃないか
そう考えた
それまで見向きもしなかった歌も歌った
リクエストも積極的に応えるようにした
自分の「型」も封印した
「型」=テーマを決めてストーリー仕立てにするスタイル
歌とトークを織り交ぜ、そこに自分のメッセージを込める
この「型」にこだわることとは、すなわちまず自分ありきのスタイルだ
お客様ありきのスタイルにあえて姿勢を転じた
聴いてくれる人に喜んでもらうことを最優先したのだ
武者修行のつもりだった
「街角の歌芸人」たらんとした
武者修行が7~8年続いた
決して順風満帆ではなかった
独りよがりに陥ったり、場の空気が読めなかったり
たくさんの恥ずかしい思いもしてきた
結果、劣等感に打ちのめされたりもした
でも…
おかげさまで、それまでもてなかった幅が多少なりとも出てきた
お客様の状態を読み、それにあわせて瞬時に選曲ができるようにもなってきた
今年に入り、考え方がまた少し変わってきた
時には「型」にこだわった演奏をしてもいいんじゃないか?
「型」=自分ありきのスタイルをまた少し取り入れてもいい時期じゃないか?
自分ありきのライブを展開したとしても、10年まえとは違っているような気もする
何よりも武者修行的な演奏活動に慣れ過ぎてきた自分をもう一度鍛え直す必要がある
鍛え直すとは、歌もギターももっと精度を上げていくことだと思う
ライブの良さは勢いでいけるところ
それは反面、不完全さに目をつぶることにもつながりかねない
武者修行的なライブに慣れ過ぎて、音楽自体の精度に鈍感になることを恐れている
デスペラードでのライブをその転換点にしたかった
だから、ライブの準備段階からかなり気合を入れて練習に励んだ
(結果的に思い通りの演奏ができず、かなり思い悩んでしまったが…)
昨日からライブの録音を繰り返し聴いていた
残念ながら、音楽性や精度の点で合格点とはいかない
(反省は心に秘め、また次の場所で生かせるように精進あるのみ)
うれしかったのは、自分の「型」を崩すことなく最後まで演奏できたこと
今回のテーマは「自己紹介-私の音楽遍歴」
はじめてのデスペラード・ライブ
数年ぶりのちゃんとしたライブ
ということで、その辺のことを意識した選曲と組み合わせにした
こんな思いで臨んだデスペライブ
対バンのtake-zさんも僕のそんな思いに呼応してくれれた
同じように最大の思いを込めて準備を進め、
体調が不完全な中でも、熱いステージを展開してくれた
ある意味、今回のデスペラード・ライブ
我々二人のとって再出発の号砲となったかもしれない
二人のライブに足を運んでくださり、熱心に聴いてくださった皆様に
心から感謝いたします
場所を提供してくれ、次回以降のライブも約束してくれたデスペラードのスタッフの皆様
ありがとうございます
そしてスペシャルサンクス
あれこれ悩み、行き詰っていた僕に
たくさんのヒントと厳しい指導をしてくださったトミ藤山さん
心から感謝いたします
[以下今回の選曲]
なんとなくなんとなく
サンフランシスコ・ベイ・ブルース
僕の星まで
プカプカ
酒と涙と男と女 (with ミツダイ)
津軽海峡冬景色~函館物語
母のふるさと
Lonly Togather (with すめちゃん)
Silver Wings (with すめちゃん)
Will The Circl Unbroken(その朝)
Country Road
Geogia On My Mind
Crazy
少年
Rockdom~風に吹かれて
マイ・ラグジュアリー・ナイト
旅の途中
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