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2009.05.14

「歌声喫茶 de フォークソング」に参加して

音楽仲間・ふく助さん主催の音楽イベントが新大久保の公共機関のホールで行われた

「歌声喫茶 de フォークソング」という名にあるように、歌声運動とフォークソングを一緒にやってしまおうという企画だ

各地の歌声運動のグループとフォークソング愛好者がたくさん集まり、盛大なイベントになった

僕も20分程度ステージをもらいカントリーミュージックを歌った
会場にいらした方は年輩の方を中心に、そのお孫さんたち
そして僕と同年代の方々、そして若者がちらほら…
つまり、かなり幅広い年代層
誰でも馴染みありそうな歌を選んだ

  1、カントリーロード
  2、おじいさんの古時計
  3、思い出のグリーングラス
  4、その朝(Will The Circle Be Unbroken)

カントリーロード以外は日本語詩で歌の背景を説明しながらの演奏

歌声喫茶なら一緒に歌うべきところだろうが、自作の歌詞もあるのでそうもいかない
歌集にも載っている歌をメインにすることで勘弁してもらった


うたごえ運動、歌声喫茶と聞いて反応される方は結構の年輩の方だと思う

新宿の「ともしび」「カチューシャ」という店が有名で、その名前は聞いたことのある方は多いと思う

歌声喫茶に集まる客がリーダーの音頭で一緒に歌を歌う
そんな空間が歌声喫茶だ
歌集が用意されていて、リーダーが客に

  歌集の●ページです
  さあ、皆さん一緒に歌いましょう!

というあんばいで号令をかける

アコーディオンやピアノの伴奏でいっせいに歌うという感じだった

歌は労働歌や反戦歌、ロシア民謡、童謡や唱歌なんかがよく歌われていた


一見するとフォーク集会などのシングアウトによく似ている

でもうたごえ運動とフォークソングの発祥は、実は違ったものだった


うたごえ運動は戦後、共産党の下部組織、民主青年同盟の活動の中で始まったそうだ
そのため民衆の生活に根ざした歌や、社会の矛盾についての歌、社会主義の祖国・ソビエト(ロシア)民謡が多くなる

このうたごえ運動は1960年代に入り、安保闘争などと結びついて一気に開花する

全国各地に歌声喫茶ができ、隆盛をきわめたそうだ

一方でフォークソングはアメリカの公民権運動などのをサポートする歌として日本に入ってくる
1960年代半ばのことだ
それが反戦フォーク、プロテストフォークとして根付いていく

うたごえ運動同様、70年安保闘争やベトナム反戦運動の刺激を受けていた

共に政治的な色彩を帯びていたが、出発点の違いや寄って立つ政治的基盤の違いから微妙なヅレがあったように記憶している


僕はプロテストフォークが音楽活動の出発点にあった
若さだけがとりえで突っ走った青春時代だった
うたごえ運動のなんたるかも知らず、自作の反戦歌をひっさげある歌声喫茶に行ったことがある

結果はけちょんけちょんに批判された
フォークなんてのは新興音楽だ、みたいなことを言われた

それがトラウマになって、以来歌声喫茶に行くことはなかった

70年安保闘争の敗北、ベトナム戦争の終結で
うたごえ運動もプロテストフォークも共に社会の表舞台から姿を消していく

それぞれに独自の道を模索しつつ水面下で細々と続いていたようだ
フォークは個人に寄って立つ部分が多いので細分化されていったが、うたごえ運動は組織的に続いていたことをあらためて知った


イベントの主催者、ふく助さんは似ていて違ううたごえ運動とフォークが一緒に音楽会をしたいという夢がおありだった

それが今回実現した
そのうれしさはいかばかりだろうか

僕も今回出演させていただき、多くの歌声運動の方とお話するチャンスをいただいた

そして、長年トラウマになっていたうたごえ運動に対するわだかまりが解けた思いだ

参加させていただき、心から感謝したいと思っている

ふく助さんありがとうございます
うたごえ運動のみなさん、これからもよろしくお願いいたします

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