« ハマフォーク 森林公園「歌会」に参加 | トップページ | 年齢境界線をまたぐ 二つのライブ »

2009.04.25

父の命日 そしてMartinギター

今日13日は父の命日

あれから17年になる

数度に渡る手術と数年間に及ぶ闘病生活の末、ガンであの世へ旅立っていった


当時僕は38歳だった
いっぱしの親でありながら、どこか腰の落ち着きがなかった
大人になりきれない、大人だったかもしれない

心のどこかでいまだに父を頼っていたように思う

父が死に、僕を支えてくれた精神的支柱がなくなってしまったように感じ…
落ち込んだ


喪失感の長いトンネルを抜けなければ前に進めないと思った

何かきっかけが欲しかった



唯一のギター「グレコ」のネックが折れた
10年ほど前にゴミ捨て場に捨てられていたのを拾って整備した
以来、勝負ギターはこの「グレコ」だった


ギターを買った
MartinのトリプルO

それまで僕は自分に言い聞かせていた

  マーチンなんかもてる身分じゃない
  お金もない
  腕もない
  俺にマーチンは猫に小判というもんだ


考え直した

  マーチンを買おう
  飛び切り高くなくともいい
  自分の気に入った音のマーチンを買おう

池袋の石橋楽器で一日を費やして試奏をくりかえしたすえ
買ったのがトリプルOだった


  今の俺には身分不相応
  経済的にも、技術的にも
  でもこれを買うことで
  親父から独り立ちしよう


当時の僕にはとても買えないギターだった
歯を食いしばって買った



音楽ネームをつけた

  Martin古池

子供の頃のニックネームと、
相当の決意で買ったマーチンギターに引っ掛けた


以来この名、このギターで演奏してきた


最近はブルーリッジギターに主役の座を奪われたマーチンギター

だが今夜だけは父の遺影の前でマーチンギターを弾いた



  今の俺がナンボのもんかはわからない

  でも親父
  アンタが旅立った後
  俺は、このギターを頼りに
  自分の道を切り開こうとしてきたんだよ



遺影の父は17年前と同じ微笑を浮かべてくれた

| |

« ハマフォーク 森林公園「歌会」に参加 | トップページ | 年齢境界線をまたぐ 二つのライブ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 父の命日 そしてMartinギター:

« ハマフォーク 森林公園「歌会」に参加 | トップページ | 年齢境界線をまたぐ 二つのライブ »