秋川渓谷沿いに長い山並みが連なっている
高尾山から始まり陣馬山を経由し、三頭山まで全長50キロほどの笹尾根
土俵岳は笹尾根上のかなり奥まったところに鎮座する山
ぼくが所属する「あすなろ山の会」では毎年4月の第2日曜日に会員がこの山に集まる
春山開きのお祭り山行だ
1964年から延々と45年も続いてきた
ぼくが参加し始めて25年
最初は若さにまかせて一人で高尾山から縦走を試みたり、逆に三頭山側から縦走もした
沢伝いにけもの道を登ったりしたこともある
気楽な一人旅だった
やがて、子供を連れて参加するようになった
小学生になりたての長男、4才の次男を連れての子連れ山旅に変わった
前日から山に入った
60リットルのザックにはテント、寝袋に食料と水が満載だった
山の中で火を起こし、寒さに耐えながらの山行が10年ほど続いた
やがて子供たちは育ち、再び一人旅に戻った
大型ザックの替わりにギターを背負っての山旅となった
このころから土俵岳お祭り山行の最後にギターで「あすなろの歌」を歌うことが恒例になってきた
「あすなろの歌」はあすなろ山の会のテーマソングとして作ったぼくのオリジナル
このころから音楽活動がライフワーク化し始めた
山歩きより音楽活動に費やすパワーのほうが圧倒的に多くなった
会の先輩や同僚たちもそれを快く受け入れてくれた
土俵岳の時は必ずぼくのミニコンサートをセッティングしてくれた
また、会のメンバーがオーナーの八ヶ岳の「あすなろ小屋」(二郎小屋)で年に1度「森の音楽祭」が開催され一昨年10回目を数えるまでになった
ぼくの音楽活動はこのように「あすなろ山の会」とは切っても切れない関係で続いている
今年もまたギターを背負って土俵岳に登った
そして「あすなろコンサート」をやった
30分ほどの小さなコンサートだが、小鳥のさえずりや、稜線を渡る風の音に乗せて歌うコンサートが好きだ
古池さんの歌に応えるように鳥がさえずって…
とっても心が和やかになったよ
そう声をかけてくださった先輩会員
こういう言葉が本当にうれしい
ギターをかついで登ってきた甲斐があるというものだ
最後は「あすなろの歌」を全員で歌いコンサートはお開き
メンバーの多くが70歳を超えている
50代のぼくが最若手の「あすなろ山の会」
いつまでこの場所に集まり、コンサートが続けられるかはわからない
でもその日が来るまでこの場所で毎年歌い続けたい
そう心に誓いながら山道を下った
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