師走の朝市コンサート ちんどん屋さんとミニセッション
年末も近づき人出も多い越谷市場
活気もあるが、その分演奏がかき消されそうにもなる
反応もいいが、足を止めて聴いていただくという感じでもない
市場がもっとも市場らしい雰囲気での演奏になった「朝市コンサート」
つまり、
一瞬の勝負、1曲1曲での表現が問われるライブ
普段から朝市コンサートの位置づけは
市場の風物詩たること
言葉を変えると、存在感あるBGMでたること
年末の活気の中で「存在感」の部分をいつも以上に意識した
1曲ごとに気合を入れて表現することを心がけた
人の心に何かを届けるのにはナマが一番だと思っている
スピーカーなどを通すとそこにフィルターが1枚かかってしまう
だからアンプを使うときでも、音量は必要最低限に絞ることにしている
年末の活気=騒音の渦の中でも同じ
歌っている自分の姿が浮き彫りになるようなポイント
スピーカーの存在を意識させないポイント
それはいたずらに音量を上げることではない
まわりが騒音であればあるほどボリュームをぎりぎりまで絞り込むべきだと思っている
反応はよかった
通り過ぎる人の波を立ち止まらせることは難しい
でも波から寄せられる視線は温かだった
小さく拍手をしてくれる人
口ずさみながら通り過ぎていく人
差し入れをしてくれる人
笑みを浮かべながら会釈をしてくれる人
もちろん、足を止めて聴いてくれる人もいる
市場ではこういう小さな反応が演奏のできに大きくかかわってくる
気分よく演奏させてもらった
コンサートも終盤になり、遠くからアルトサックスの音が近づいてきた
ちんどん屋さんだ
毎年年末になるとやって来るアルトサックス、鳴り物、太鼓、呼び出しの4人編成のちんどん屋さん
こちらの演奏を一時中断
サックスに合わせてギターでバッキングをする
うまい具合に音がからみあう
ちんどん屋さんも足を止めてギターとの「セッション」を楽しんでくれる
近寄ってきて
にいちゃん
なんか一緒にやろう
というわけで、「青い山脈」だの「影を慕いて」だの「悲しい酒」だの4~5曲一緒に演奏
サックスのじいさんも楽しそうに絡んでくれた
「影を慕いて」「湯の町エレジー」「悲しい酒」などをちんどん屋風に演奏すると不思議な哀感が出てくる
「悲しい酒」に鐘や太鼓が絡んでくるんだからにぎやかな演奏になる
でもそのにぎやかさが逆になんともいえぬ哀感になるんだな
これは新発見だった
ちんどん屋さんが去った後は嵐のような静けさだった
買い物客の波もひと段落
いつもの落ち着いた空気になっている
ライブの最後を締めるにはカントリーバラードをじっくり歌おうと思い
選んだのは
クレージー
I'll Hold You In My Heart
テネシーワルツ
ちんどん屋さんの振りまいたにぎやかな空気を鎮めるように
静かに深く、じっくりと歌うことを心がけた
ちんどん屋モードからMartin古池モードに空気が変わったところで、
「朝市コンサート」を締めくくった
いつもより長い2時間半のライブになった
→ちんどん屋さんと初めて「セッション」した約2年前の記事
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