高校時代の仲間たち
待ち合わせ場所は札幌駅のみどりの窓口だった
すでにT君、U君が待っていた
3年前の同窓会以来の再会だ
U君はサッカー部のチームメイト
T君は大学受験失敗後の自宅浪人メイト(?)
東京に出てからも親しくつき合ってた気の置けない連中だ
3人でT君行きつけの天麩羅屋でいっぱいやりながらⅠ君の到着を待つ
なんとⅠ君は登別から札幌まで車を走らせているという
最短でも120キロほどの道のり
内地(本州)の感覚だと日光から日本橋までがたしか100キロだと思った
明日の朝早くに仕事のためとんぼ返りするというⅠ君
まったく頭が下がる思いだ
Ⅰ君の到着を待ってすすきのスナック「またくるベア」を目指す
この店はやはり同級生のYさんがママ
いわば我々の札幌での拠点になっている
出張で札幌に行ったはずの僕がギターを背負っているのを見てあきれ顔
せっかく持ってきたんだから、
しょうがない
おまえの歌でも聴いてやるか
やはり、青春時代をともに過ごした仲間たちだからフォークソングを中心に歌った
僕たちが高校時代を過ごしたのは70年安保闘争の真っ盛りのころだった
1級上、2級上には学生運動の闘士も多かった
1年の時は卒業式が「左翼」の先輩に占拠され中断
2年の時は機動隊の警戒態勢の下での卒業式だった
僕たちの代は急進的で過激な左翼運動にいささか嫌気がさしていた世代だった
いわゆる「三無主義」「シラケ派」世代への通過点のような世代
イデオロギーで「上」から縛られることを嫌い、「俺は俺、文句あっか?」と開き直る気分と
社会的な矛盾に対して目を閉じてはいけないという気分とが同居していた世代だった
当時のフォークソングはそんな微妙なバランス(言葉を変えると葛藤)に揺れる我々の気分を代弁していたように思う
10曲も歌ったろうか
突然T君が言い出した
古池よ
「遠い世界に」
やってくれや
まさにこの歌が当時の僕たちの気分を表していた
あのころを思い出しながら静かに歌いだした
1番を歌い終え、2番からは少しアップテンポにするとみんな一緒に歌いだす
あれから35年経つってのに歌詞をそらんじている
だけど 僕たち若者がいる
最後のこのフレーズを何度かくり返すうちに胸に熱いものが去来した
【付記】
この後、仕事を終えてS君が「またくるベア」に飛び込んできてくれた
S君もまたいまだに演奏活動を続けている同級生だ
このあと僕はS君に連れられて、彼のホームグランドで演奏することになる
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