S君のホームグランド「ありがとう」で歌う
すすきのの「またくるベア」を後にして、僕とS君は白石に向かった
めざすは「ありがとう」というフォーク酒場
オーナーはS君の仕事上の元同僚で脱サラをして店を始めたそうだ
僕らと同じ54歳
まさにフォークソングの洗礼を受けた世代だ
店内はけっこう広くゆったりとしていて落ち着ける雰囲気
さすがに北海道というかんじ
機材もそろっていて、音響もいい
斉藤哲夫さんなどフォークシンガーを招いてのライブもやっているそうだ
いっぱつで気に入ってしまった
S君は彼のホームであるこの店に僕を連れてきたかったんだろうな
彼の心配りがうれしかった
飲みながら、東京の音楽事情などを話しているうちに
古池さん
せっかくだから歌ってよ
ギター持参、これらの機材、素敵なお店の環境
もとより、歌いたくてうずうずしていたのでふたつ返事で演奏開始
当初2~3曲のつもりだったがうながされ、ノセられるままに10曲以上も歌った
途中からはMCも含めてライブの体裁に早変わり
お客様の反応もよろしく、楽しく歌わせてもらった
その後、何人かの方が歌われ最後にS君のソロステージ
10月26日にここで開かれるミュージックジャンボリーの予行演習といって2曲披露してくれた
彼の歌を聴いてるうちに、胸に熱いものがこみ上げてきた
S君とは3年ぶりの再会だが、その前30年は(卒業後)まったく交流がなかった
お互いに姿をくらましていた時期もあった
今こうして再開し、それぞれの音楽を聴く
互いの人生の紆余曲折を感じていた
ステージで演奏する彼のそばにふらふらと歩み寄った
手にはギターを持っていた
彼の演奏の邪魔にならぬように、アドリブでリフを絡ませていった
S君の歌が胸にくる
河島英五の「てんびんばかり」という歌だ
家を出て行く息子がいる
引きとめようとする母親がいる
どちらも愛している
どちらもうらんでいる
どちらも泣いている
人生の裏と表を描いた名曲だと思う
S君の歌に彼の道のりを思い、自分の道のりを思う
自分たちのあの時代を思い、息子たちのことがかぶさっていく
ぐっとくる思いを必死でこらえながらリフを弾いた
35年の時間を越えて、今こうして音楽を通してふたたびあいまみえている
その不思議さ
そのうれしさ
そのありがたさを
思わざるをえなかった
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「札幌日記 2008 秋」カテゴリの記事
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コメント
古池さん
先週は素敵な演奏ありがとうございました。
私も、Sさんもすごい刺激をもらいました。
これからもお互い唄いつづけていきましょう。
また札幌に来た時は、遊びに来て下さい。
投稿: ありがとうKEN | 2008.10.26 13:57
KENさん
埼玉と札幌
場所は遠く離れています
でも、それぞれの地で力の続く限り歌い続けましょうね
札幌に帰るときは必ずまた寄らせていただきます
これからもよろしくお願いいたします
投稿: Martin古池 | 2008.10.27 00:02