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2008.02.06

いいじゃないの幸せならば…

40年ぶりにこの歌を聴いた

不思議な魅力にとりつかれ、また聴いた
何度もなんども聴きなおした

妙に胸に残るしこりを感じた



さがらなおみはあまり好きな歌手ではなかった

のっぺりとした丸い顔に薄笑いを浮かべて歌うあの空気がどうしても好きになれなかった


二人のため世界はあるの♪


と、歌われた日にはワーッと叫びながら押入に頭をつっこみたくなる衝動に駆られた


いいじゃないの幸せならば

この歌がレコード大賞を取るなんて信じられなかった

この歌がレズビアンの歌だとまことしやかに噂され、彼女自身もレズビアンだとささやかれた
やがてさがらなおみは表舞台から姿を消し、僕の記憶からも遠ざかっていった


50を過ぎあらためて聴くチャンスがあり、今静かにうちよせる波のような感動を覚えている


思春期の少年にはわからなかったものが、秋の時代を歩いている今の僕には判るような気がする

当時、すでに秋の時代に足を踏み入れつつあった父がこの歌に
じっと耳をそばだてていた姿を思い出す


諦観

彼女が身にまとっていたものはこの感覚だったのではなかろうか

男と女の関係に対する諦観
女と女の関係に対する諦観
そして…
人生に対する諦観

そう考えると、あの薄笑いにすら何かさがらなおみの当時の心境が投影されているような気がする



すべて僕の勝手な思い込みではある

しかし人生のあらがいようのない切なさを感じる時、
言いようのないそして魔力のような力に引きずり込まれそうになる

  今しかない

  明日じゃない

  昨日でもない

  今でしかない



ネガティブでもポジティブでもない
今を受け入れること

これを諦観というのだろうか…

  いいじゃないの…
 
    幸せならば…




追伸

You Tubeで動画を探してみた
残念ながら1件もヒットしなかった
ちょっとほっとした
やはり…
あの平べったい、薄笑いを浮かべた丸顔は
…見たくない

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