街角ライブの記録 12 【2004年4月18日】
Martin Koike 風の便り vol.12
2004年4月18日
あすなろの歌
雪よ 岩よ 雲よ
川よ 谷よ 樹木よ
長い道程を君は
歩いてきたんだね
おもいだしておくれよ
さまよい歩いた日々を
ザックに夢をつめて
はるか山の彼方
あすなろ あすなろ 心の旅人
あすなろ あすなろ 心の故郷
風よ 鳥よ 空よ
水よ 露よ 朝日よ
いつまでこの道を君は
歩き続けるのか
何を求めて行くのか
何かがそこにあるのか
旅するための旅を
また始めるのだろう
あすなろ あすなろ 心の旅人
あすなろ あすなろ 心の故郷
あすなろ あすなろ 心の故郷
(作詞・作曲 古池雅彦)
★「あすなろ山の会」に入会してもう20年になる。創立して45年の歴史を持つ山の会だ。会としての山行はもうほとんど行われていないが、会員各自の個人山行を機関誌 『あすなろ通信』 に投稿することで会として存続している。今年50歳になる僕が若手というぐらいだからパイオニア的な山岳会などでは決してない。各会員がてんでんばらばらにその人なりの山を楽しんでいるのが今の「あすなろ」の実態だ。
★そんな「あすなろ」にも華々しい時期があった。若手グループ「あすなろP2」によるヴァリエーションルートの追及や、ベテラングループによるヒマラヤトレッキング。20年ほど前までの話だ。
★『あすなろの歌』はその頃作った歌だ。創立25周年を記念して、まだ若かった僕がちょっと背伸びして書いた。当時の気持ちはベテラン勢に対する尊敬と、これからの自分の生き方を展望したつもりだった。緒先輩にも歌を受け入れてもらえ、以降ことあるごとに演奏してきた。
★先日、春のお祭り山行として40年以上も続いている『土俵岳集中山行』(秋川渓谷、笹尾根)に参加した。今年の『土俵』では初めてギターを持参してミニコンサートをやった。以前は子連れ山行でテントやら水やら食料やらを担ぎ上げていたのでギターどころではなかった。子供たちも成人し親とは行動を共にすることもなくなり、気ままな一人旅になったのでいつかは山の上でミニコンサートをやろうと思っていた。けれど『かざぐるま』の音楽活動が忙しくなりすぎ、なかなか実現しないでいた。
★何曲か歌い最後のしめくくりは『あすなろの歌』。歌詞は覚えていなくてもメロディを口ずさんでくれるメンバーたち。あらためて顔に刻まれたしわや、まるくなった背中、そして何よりもお酒の量が減った先輩たちを思った。45年の歴史の中にはそれぞれにいろんな出来事があったはずだ。もちろん僕も例外ではない。そして今でもこうしてそれぞれに山を続けている。たとえ個人山行中心であっても心の中に「あすなろ」があり、『心の故郷』になっているのを実感することができた。
★『あすなろの歌』が生まれて20年。今初めてこの歌に魂が宿ったような気がする。魂が宿るまでにはそれなりの時間の経過、それなりの人生が必要だったのかもしれない。歌が個人の人生を投影し、なおかつそれに普遍性が付与されたものだとするなら『あすなろの歌』はその条件を満たしてはいない。「あすなろ山の会」という限られた社会の中でしか認知されえない歌だから。でも限られた世界であったとしてもこの歌に何かを感じてくれる人がいるならそれでいいと思う。大先輩のゆうさんが「せっかくホームページがあるんだから、公開しなよ。俺たちだけでも見るからさ」と言ってくれたので、今回の『風の便り』に掲載します。
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