夏の終わり
台風が近づいている
八丈島あたりで足踏みをしているようだ
嵐を前にして季節は秋の匂いをふりまいている
この嵐が通り過ぎると一気に秋になるんだろう
この夏…
猛暑が喧伝された
連夜の熱帯夜
最高気温の40度超え
たしかに暑かった
でも…
僕に夏はなかった
夏の始まりとともにひいた風邪が思いのほか長引いている
断続的に続く激しい咳
だらだら続く微熱
喉を痛め声を出せない日々
あらゆる気力と体力は奪い去られ、ひたすら家でじっとしていた
まるでものかげに身をひそめ、回復を待つ手負いの獣のように
そして…
回復を待ち続けるうちに、季節は秋を迎えた
秋の朝の匂いをかぎ、
ぽっかりと心に穴があいた気分になっている
今年はぎらぎらの太陽のシャワーを浴びることができなかった
しょっぱい汗をなめながら歩き回ることもできなかった
蝉時雨の中に身をおくこともできなかった
つくつく法師やヒグラシを聞きながら行く夏を送ることができなかった
夏定番の歌たちを歌ってあげることもできなかった
一抹の寂しさと心残りを胸に、秋を迎えようとしている
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