上條喬久カレンダー個展
グラフィックデザイナーの第一人者
上条先生のカレンダーの仕事を数年前から担当させてもらっている
入稿から印刷までの設計の仕事
その関係で上条先生の個展のオープニングセレモニーに招待された
物理的に困難な内容を要求される仕事
毎年胃が痛くなる思いだが、印刷技術者としては多くのことを学ばせていただいている
カレンダーを芸術としてとらえている先生は妥協を許さない視線を投げかけてくる
それに応えるために試行錯誤のくりかえしだった
思えばカレンダーというものは因果な芸術だ
月が変われば捨てられる運命
わずか一ヶ月のためにデザイナーとしての全身全霊を傾ける
けれど逆に考えると、だからこそ意味があるのかもしれない
上条先生のこの三年のテーマ
形のないものは美しい
ここに先生の心意気が凝縮されているように思う
滅びゆくものへの哀感と憐憫の情
壁一面に掲示されたカレンダーたちに、思わず声をかけた
ふたたび日の目を見れてよかったな
それは…
先生の心意気に応えようと必死だった
自分自身に対しての言葉でもあった
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