« リアカーマンのでっかい地球!大冒険 | トップページ | 懐かしのラーメン屋いまだ健在 »

2006.11.27

氷点 40年前の父との会話を思い出す

人は生まれながらにして罪を背負っている。

恨み、憎しみ、罵り合い、傷つけ合い…

それでもかかわりあっているから生きていける。

辛くても傷つけあっても…

許しあっていかなければ生きてはいけない…

三浦綾子原作の「氷点」を初めてテレビドラマで見たのは中学生のころでした

デビュー早々の内藤洋子が主演でした

原作を読んだのも中学生のころのように思います

内容はカンペキに
  忘れ去っていました

三浦綾子はいわゆるクリスチャン作家です
しかも旭川出身の道産子作家
カトリック信者の両親が三浦綾子と氷点を話題にしないわけがない
思春期・せのび盛りの僕は判ったふりをして読みふけったのでした
大人の仲間入りをしたかったしだいです

思春期の感受性には重いというインパクトだけは残してくれました

人間の原罪

人が生まれながらにして持っている罪を原罪とするなら
その原罪に対して人はどのように向き合っていくべきなのか

氷点のテーマはこれにつきるのでしょう

中学生のころ人間は性善説か性悪説かについて
父とずいぶん議論したものです

キリスト教は性悪説が原点にある
アダムとイブが神を裏切ったことが性悪説の説明でした
であるがゆえに許しと救いを求める

たぶんこれがカトリックの公式見解でしょう(多分ですぞ)

三浦綾子もそういう観点から
人間の原罪と、その克服を氷点で模索したのではないか

原罪=性悪説を思春期の僕は受け入れられませんでした

めいっぱい背伸びの議論から35年以上の時間が経過しました

氷点がリメイクされて放映されることを知り
父との議論を思い出しました

ドラマを見て…

中学生のときのようにやはり苦しくなった

原罪とか性悪説とかってフレーズ自体が
僕の中ではすっかり風化していたのです

風化していた思いがよみがえったというのでしょうか

50歳を過ぎた僕はやはり今でも人間には原罪があるという感覚はありません

けれどもキリスト教の洗礼を受けそれを自分に突きつけた三浦綾子の心情はなんとなくわかる気もします

父が性悪説の立場にたったのかどうか今では定かではありませんが、
当時45歳くらいだった父が原罪というものと正面から向き合おうとしたことは確かだと思います

三浦綾子の問いかけに父なりに応えようとしたのかもしれません

おそらく、父もそれを認められず拒絶したように思います

父がカトリック教会から疎遠になっていた時期に重なるからです

しかし、その後長い年月をかけて父は再び教会に帰っていきました

晩年、父の病床にはたくさんの本が積まれていました

瀬戸内寂聴や遠藤周作などに混じって氷点もあったのです

その時は気にもとめていませんでしたが、

死を目前にして、再び自らの原罪を見つめなおしていたのではないか

そんな気がしてしょうがありません

ちなみに…

ドラマの中で地震で函館大学がつぶれるというシーンがありました

昭和41年という設定になっていました

実際にあの十勝沖地震が起きたのは昭和43年6月でした

僕は函館市立潮見中学に通っていました

体育の授業で腹筋運動をやっていました

余震の時は腹筋がプルプルしているのかと思っていましたが
いきなりドン!

体育の先生が血相を変えて体育館の外に出るように叫んでいる顔が鮮烈に残っています

氷点の公式サイト

| |

« リアカーマンのでっかい地球!大冒険 | トップページ | 懐かしのラーメン屋いまだ健在 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

とつぜんすみません、
通りすがりのものです。
始めまして。

地震は、実際とは違ったんですね。
そのことで、TBしました。

よろしくお願いします。

投稿: umiusi45 | 2006.11.29 13:40

umiusi45さん

コメントとTBありがとうございます

今訳あってTBを表示できない設定になっています

そう、迷惑TBが多すぎて…
手を焼いていたんです

そうこうしているうちに、設定の戻し方忘れてしまった!

近日中にTBが表示できるようにしておきます
(思い出し、思い出し…)

umiusi45さんのサイト

泣きながら、撤退同盟 もちょっと寄らせていただきました

武田鉄也=金八を香具師と評されたのは大笑いしました
まったく同感です




投稿: Martin古池 | 2006.11.30 00:36

umiusi45さんのサイト 【泣きながら、撤退同盟 】

評点 ⇒ http://blog.goo.ne.jp/umiusi45/e/495b9aec6ac7c7ce29f4e3ce9faa914c

続・評点 ⇒
http://blog.goo.ne.jp/umiusi45/e/8616f35d066e63ddb68f17bb7fcb49d2

投稿: Martin古池 | 2006.11.30 13:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 氷点 40年前の父との会話を思い出す:

« リアカーマンのでっかい地球!大冒険 | トップページ | 懐かしのラーメン屋いまだ健在 »