「Dr.コトー診療所』
このところ木曜日の晩は「ドクター・コトー」にはまっています
たまたま回したチャンネルで放送していて、見るともなしにながめていました
主人公のコトー(後藤健介)が“純”だったってこともあってね
ところが…
ガッツリ引きずり込まれました
おいおい、こりゃ『北の国から』の南国孤島版だぜ
シチュエーションも何もかもまったく違うんですが、『北の国から』と同じ臭いのするドラマだと感じたんです
コトーが吉岡君=純だからってことじゃないですよ
だって吉岡君が出演するものがすべて同じ臭いを漂わせているわけじゃないですからね
(『フーテンの寅さん』しかり、『三丁目の夕日』しかり)
ぐんぐん引き込まれていって、最後に決定打を浴びてしまいました
エンディングテーマは
な・なんと…
中島みゆきさんじゃありませんか!
銀の竜の背に乗ってぇー!
かくして完全にやられてしまったのであります
後で知ったことですが、脚本の吉田紀子さんは倉本聰の富良野塾出身だとか
同じ臭いがするはずですよね
それにしても骨太のドラマですね
誰かが笑っている時、別の誰かには暗い影が忍び寄っている
それで、これでもか!これでもか!と言わんばかりに、
入れ替わり立ち替わり事件が起きていく…
実際の生活でこんな日常が続いたんじゃたまったもんじゃない
そこはまあドラマですからね
『北の国から』にしても『Dr.コトー』にしても
様々な事件に翻弄される人たちを集中的に描くことで
人生の縮図を見せているように思えます
普通のドラマってのは起承転結がはっきりしてますよね
主人公もチャンと決まってる
主人公に何かことが起こって、それを解決するためにいろいろ展開があり…
最終的に何らかの決着を見る
大体こんなパターン
それが自然だし、わかりやすい
『Dr.コトー』や『北の国から』はそういうパターンから逸脱しているようで…
様々な人生をまるで幾層にも連なる波のように描くことで何かを伝えようとしているようです
結論を明確にしないドラマってんでしょうか
結論・結末という形ではない、別の形で何かを伝えようとしている
何かって…?
それは生きることの意味なのかも知れません
人生の切なさ、哀しさ、苦しさ
波のように押し寄せる事件に翻弄され、あらがう登場人物たち
絶望の淵に追い込まれ、押しつぶされそうになり…
人のあたたかさ
そんな人を見守り、支えようとする人たち
けっして変わってやることはできないが、寄り添おうとする人たち
人間を人と人の係わり合いの中で描き、
けっして一人じゃないんだよ、人間ってのは
そんな願いを込めているように思えてなりません
そして…
生きることそれ自体に意味があるんだよ
そんな風に言ってるように思えてなりません
だから、主人公はDr.コトーであって、Dr.コトーではない
登場する一人一人もまた主人公で、Dr.コトーはその見届け人みたいなもんだと思います
そして診療所は人と人が交わり、行きかうターミナルのような役割を果たしている
大河ドラマってよく言いますよね
大河ってのは絶えることなく流れつづける。
でも流れる水がいつも変化を繰り返している
たえず変わる川床や、水に倒れた木の枝にぶつかり流れを変える
吹く風や、誰かが投げた小石にさえ波紋を広げ変化していく
それでも全体としてはとうとうと流れつづけている
どこか人生に似てますよね
『Dr.コトー診療所』というドラマ…
大河ドラマと呼ぶのにふさわしい番組だと思いませんか?
こうなったら、
コトーがじいさんになり、南の孤島で医者でありつづけるところまで番組を続けてほしいな
そう…
『北の国から』のように
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コメント
ごぶさたっす!
同感でございます。
あと、オレのHPでリンクしている
「FICTION」という劇団は
富良野塾出身の方が主催しております。
『Dr.コトー診療所』に出ている役者さんも
塾出身の方がでております。
いや~世間は狭いものです^^
投稿: たろう | 2006.11.10 23:49
へぇ!
そうなんだ!!
本当に世の中って狭いね
富良野塾ってすごいよね。
単なる演劇集団じゃなく、演劇を通して、富良野の厳しい自然を通して、人間として生きることを模索してるって感じだもんね
投稿: Martin古池 | 2006.11.12 17:51