アイヌ民族初の国会議員 萱野茂氏 自然に還る
萱野茂
アイヌについて調べるとき、避けて通れない人です。
先日パーキンソン病で亡くなったそうです。
アイヌ的に言うと、神々の自然に還るということなんでしょうね。
ショックでした。
萱野さんの足跡はこちらに詳しいので参照してください。
日本は単一民族だとよく言われます。
けれど北海道に限って言えば、我々倭人(大和民族)より先に、アイヌ民族が先住民として住み着いていました。
彼らは、狩猟民族として北海道の大地を転々と移動しながら暮らしていたのです。
ところが倭人が住み着くようになると、いつしかアイヌ民族の居場所はなくなりました。
倭人に支配され、いつしか日本人として統合(?)されていきます。
この過程でかなり不条理な支配があったそうです。
萱野さんは風化しつつあったアイヌ民族の誇りをとりもどすために長年活動してきました。
自然との調和の中に生きてきたアイヌ民族として、
自然破壊のダム建設に反対したり、
アイヌ民族でははじめての国会議員になったり…
僕は、倭人の末裔です。
でも日本人としてこれからの社会を考えるとき、
アイヌの考え方がとても大切なもののように思えてなりません。
社会的進歩を追い求めるあまり、
大切な自然や資源を破壊し枯渇させてきた現代人=日本人。
自然の連鎖の中で生かされているというアイヌ民族の自然観。
今必要なものだけを獲ることで、自然の再生を守るという考え方です。
農耕民族である倭人と、狩猟民族のアイヌとでは自然観は違うのかもしれません
けれど、同じ日本人としてくくられている今、
これからの日本を考えるとき
少数民族・アイヌの考えをひも解くことは意味あることだと思います。
これだけ文明が発達し、分業化が極限まで進んだ現代社会では後退とうつるかもしれません。
今から引き返すことは不可能なことでしょう。
けれど、現代社会の暴走を防ぐことはできるかもしれません。
エコロジーが叫ばれていることは、現代人の反省ともいえるでしょう。
でもエコロジーの根源にかかわる自然観にまで思いをはせたいものです。
エコロジーって言葉は、なんとなくうさんくさいものを感じてしまいます。
それによって儲け話に結び付けられているようで…
たとえば印刷インキ。
もともと石油系の材料が使われていました。
それを環境を考えて植物油=大豆を使わなきゃ時代遅れみたいになっています。
でもこれはアメリカの大豆を大量に売りつけるという戦略に基づいているわけで…
アイヌ民族の日本人という立場から、そういうことを教えてくれた萱野茂さん。
心からご冥福を祈ります。
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