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2006.01.18

「竹田の子守唄」

守りもいやがる 盆から先にゃ
雪もちらつくし 子も泣くし

盆がきたとて なにうれしかろ
帷子(かたびら)はなし 帯はなし

この子よう泣く 守りをばいじる
守りも一日 やせるやら

はよもいきたや この在所(ざいしょ)こえて
むこうに見えるは 親のうち

「赤い鳥」が1969年にシングルを出して有名になった歌です。
でも、なぜかこの歌は放送自粛、発売禁止となっています。
フォーク・クルセダースの『イムジン河』が発売禁止になったのと同じ力が働いたものと思われます。
『イムジン河』は朝鮮半島の二つの国家がテーマであったことが理由といわれています。
『竹田の子守唄』は京都の竹田地区に、いわゆる「部落」があったことがその理由と思われます。
いずれも、レコード会社からは明確な説明はなされていないようです。

『竹田の子守唄』は京都伏見区の竹田にあった「被差別部落」のおばあさんが歌ったものを、作曲家・多泉和人さんが譜面におこしたのが始まりだそうです。
それを当時隆盛を極めたうたごえ運動や、大塚孝彦、高田恭子といったフォークシンガーが歌い始めました。
1960年代のなかばと思われます。
それを聞いた「赤い鳥」の後藤悦治郎が感銘し、レパートリーに加え全国ヒットになるわけです。

この歌は、明治、大正、昭和初期と閉ざされた、貧しい部落の女の子たちが背中に赤ん坊を背負って歌ったものが元歌だそうです。

→この辺のことは、音楽評論家・藤田正さんの優れた記事があるのでぜひ読んでください。

僕が『竹田の子守唄』を初めて聞いたのは高石友也のフォーク・アルバムでした。
「赤い鳥」に比べると、もっと泥臭い演奏でした。ソロで労音などをまわっているころの録音で、技術的にも「赤い鳥」の洗練された演奏とは大違いなのですが…
高校生だった僕にはその泥臭さは強烈でした。
何かの本から知識を得、『竹田の子守唄』の背景にある「部落」の問題はおぼろには知っていました。そのせいか後で聞いた「赤い鳥」の演奏がきれいに過ぎると感じていました。
なにしろ、当時の僕は音楽性より人間性を重視していたもんで…

ともかく、政治に目覚めたばかりの若者にとってこの歌は単なる子守唄ではない、大切な歌になったのです。
その後欠かせないレパートリーのひとつになったのは言うまでもありません。

「オカリナ・アンサンブル かざぐるま」で一度この歌を取り上げたことがあります。
オカリナでの演奏ですから、きれいで耳ざわりのいいアレンジでした。
でも、僕はそれでは欲求不満でした。
で、アルペジオでのギター伴奏はやめてベース音を強調したアレンジに変えました。ひそかな抵抗でした。
オカリナ部隊にはちょっと違和感があったみたいですが、僕としてはゆずれない線でした。

最近「花※花」が『竹田の子守唄』をレコーディングしたそうです。まだ聞いたことはないのですが…

いいんでないかぃ!

それが僕の感想。
以前の僕なら、きっと受け入れられなかったかもしれません。
「赤い鳥」の演奏ですらNGだったくらいですからね。

でも若い世代に歌い継がれていくってのはいいことだろうと思うんです。
『竹田…』の元歌は明治、大正にまで遡るわけだし
それを僕らの世代は歌い継いできたわけだし…
「竹田の子守唄」として形を変えて

次の世代が新しい感覚でそれを歌い継いでいくってのはうれしい…
素直にそう思えます。
彼女らに「部落」の問題をことさら云々する気はありません。
(もちろん今でもこの問題がなくなったわけではありません…)
歌が若者によって歌い継がれれば、その背景にあるものを伝えるのは僕らの世代の役割なのかもしれませんね。

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コメント

「竹田の子守唄」が被差別部落から発生した歌であることは、子供のPTAの講演会で知りました。「星影のワルツ」も内容的に同和問題を含んでいると、同じ講演会で聞きました。もちろん差別ということは絶対にいけないけれど、あまりに過剰な反応で放送禁止や自粛はしてほしくない!
聞き流すのも意味を探るのも聞き手の選択にあるのだから‥

投稿: まこちゃん | 2006.01.18 23:37

まこちゃん

お久しぶりです。

まったく同感ですね。

竹田の子守唄、
手紙、
チューリップのアップリケ

などは被差別部落にかかわる歌でレコード会社が発売自粛、放送局は放送自粛をした歌です。

でもきちんとした説明なしに、くさいものにはふたをしろ的な発想で「自粛」されています。

ヨイトマケの歌も「土方」という言葉がうまくないとの判断のようです。

そういえば、イマジンもそうですよね。

こういう、発売禁止になった歌もこれから発掘して歌っていこうと思っています。

投稿: Martin古池 | 2006.01.19 00:53

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