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2005.12.08

監督って…切ない仕事だよね

チームを離れるとき、ほとんどの監督はミソクソたたかれてチームを去っていきます。
これは全世界共通のようですね。

年間単位で見ると、優勝に導くことができる監督はたった一人…
勝てなかった監督はすべて批判を背中に受けて去っていく…

古くはガンバのプレーイングマネージャー、あの釜本監督
勝てないガンバの責任を問われ監督の座から去っていきました。

あれから苦節10年…。
ガンバ大阪はやっと優勝を勝ち取ることができました。
西野監督の評価はうなぎのぼり
でもね、西野監督だってかつては古巣・柏レイソルから追い出された人。

「西野じゃ勝てない」

屈辱だったと思いますよ…

その柏レイソルは今日J1残留をかけて甲府と入れ替え戦。
西野監督の胸中をおしはかることはできないけど…

よくやった、よく耐えてここまで来たね

そう言ってあげたい気分です。

一方でJ2のベガルタ仙台の都並監督。

4位の成績でありながら、たった1年で仙台を追われました。

都並監督はもう1年やりたかったようですが、フロントがね…
冷たいもんですよね!

その意味ではJ2落ちした、ヴェルディ東京やヴィッセル神戸

監督の首のすげ替えが激しいチームですよね。

結果がでない、即、監督責任というわけですかね。

プロの世界は厳しいといってしまえばそれまでなんだけど、

なんかちょっとやるせない感じがするな。

監督業ってのは思ってるより厳しいですね…

自分の理想とするスタイルってのがまずあるわけでしょ?
攻めのサッカーをやりたいとか…

まず守って確実に勝ち点を確保する手堅いサッカーとか…

でも現実には各選手の個性や、質に大きく左右されるわけで…

今いる選手の個性に依存するところからチームを作るのか、

監督のイメージを優先するのか…

理想と現実のバランスを取りながらチーム作りをするんでしょうが…
そういうバランスの中で、自分の信念をいかに維持し、なおかつ結果を残す。

いずれにしろある程度の時間をかけなけりゃ

監督の考えも浸透しないだろうし、

チームとしても機能しないんじゃないかな。
当然、結果だってね…

そう意味では神戸みたいにシーズン中に監督交代なんてのは、つらいなぁ。

というより、フロントの姿勢を疑っちゃいます。
ある程度チーム作りに時間をかけなきゃ、継続して勝てっこないだろうし…

まして結果なんて残せっこないと思うんだけどなぁ…
最下位はある意味必然!

反面、優勝こそ逃したけど、惜しまれつつ高い評価を残して去っていく監督もいます。

鹿島のセレーゾ監督。
彼は長年鹿島アントラーズの監督を続け、黄金期を築きあげた当然の評価を受けている。選手からもサポーターからも支持されてますよね。

サポーターからの支持っていう点では新潟の反町監督。
ご本人はJ2からの昇格が自分の使命。

来期もJ1で戦えることが決まったから身を引くと言っています。

同じくFC東京の原監督。
チームに刺激が必要。これ以上自分が監督でいたらマンネリになると言って退団!

これはかっこいい!サムライだね!

両者ともリーグでの順位という意味では結果を残せなかったけど、それぞれの目標は達成できてるもんね。

反町監督はJ1定着。
原監督は戦闘的チームの構築。代表に何人も送り込んでいるし!

選手も、サポーターもフロントも評価しての退団。

同じ意味で、ジェフ千葉のオシム監督。
(僕はこのオシム監督のサッカーが本当に好きなんです)
オシムが来年ふたたび監督をやるかどうかは、いまんとこ分かんない。

でも監督の厳しさを知りつくしたこの人のチーム作りは魅力!
何がいいって、スター選手がいない中で全体の力を上げていく。

カナメのスター選手を活かすためのチーム作りではなく、

全員のボトムアップをなしとげたところがすごい。
一人ひとりの力量は他チームのスター選手には劣るのかもしれないけど、チーム全体の力が上がったからこそ、連動性も生まれてくるんでしょうね。

「一人の百歩より、百人の一歩」という言葉を思い出します。

さて、最後に我が日本代表のジーコ監督。
まだ、結果を問われるまで半年ありますが…

この4年間で評価がエレベーターのように上下している監督ですよね。

はらはら…
ドキドキ…
イライラ…

この3年半、ずっとそんな思いがつのっていました。
でも、いつかは必ず…
そう願い続けてもきました。
すぐにでも結果を見たいというサポーターや評論家の気持ち、もちろん僕も同じです。

でもね、冷静に考えると、

ワールドカップで前回以上の結果を残すということがどれほど困難なことか…

たとえ誰が監督をやっても、世界との差はなかなか一気には縮まらないんじゃないかな?

選手個々人が考え、選手同士の中で約束事を決めていく。

それを待つというジーコのスタンス。

本当の意味で日本サッカーのレベルをあげるためには、決して間違えではないと信じたいんだなぁ。

彼への評価はそういうプロセスの中で考えるべきではないかと思うんです。

そんなことを考えていて、ふと思ったんです。
これはどんな職業、どんな仕事でも同じなんだよね。

人を育てつつ、組織を活性化させる。そして結果を出す。
このサイクルは企業でも同じ。職人の世界でも同じ。

もしも結果をはかる指標が「対前年比」というものだけならば…
監督や、管理職や、親方に対する評価ってのは厳しいだけのものですよね。

「対前年比」だけを指標にすると即効性が求められます。
そうなると当然レンタル移籍などの即戦力に頼りがちになります。
結果的に若手の人材育成に対する投資は二の次になる。

企業でもそうですよね。
即戦力を求めてキャリア社員を求めたり、派遣会社に依存する要素が生まれます。
結果的に人材教育がおろそかになる。

もしかしたら今年度は結果を残せるかもしれないけれど、それが来年度以降にはたしてつながるんでしょうか…

選手の成長を待ちながら、それを結果につなげようとしているジーコのスタンス。
目の前の結果のみを追い求める風潮が支配的な世の中だからこそ、信じてみたいと思うのかもしれません。

チームの体質、企業の人力を強めていくということも

結果をはかる指標のひとつであるべきだと思います。

それができないフロントなんて…
それをないがしろにする社長なんて…

やめっちまえ!!

あれ?
話がずいぶん飛んでしまったかな?
ちょっと乱れてきたので、今日はこの辺で…

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