渡り鳥 母が北の国から飛んできた
毎年この季節になると…
寒い北海道から暖かい関東平野に、まるで渡り鳥のように母が飛んできます。
正月を3人の子供たちの家で過ごすためです。
80歳にもなり10年以上も続く母の南の国への旅。
年々少しずつよたよた飛んでくるようになったけど…
いつまで続けられるのか…
父が亡くなってから十年以上も、母はひとり暮らしをしています。
3人の子供たちはそれぞれに、関東の一角で根をはやしていて…
「スープの冷めない距離」が親子の理想的な距離感だとすれば・・・
北海道はあまりにも遠く、齢を重ねていく母が気がかりではあります。
けれど、どうにもならないこともあるわけで…
以前、内地によぼうとしたことがあります。
一笑にふされました。
あんた、何ハンカクサイこと言ってるのさ!
何十年も北海道住んでて、いまさら内地もないっしょ!
北海道に居を移すことを考えたこともあります。
でも、経済不況が延々と続く北海道で、生活を新たに築けるとも思えず…
今、母は父と長年暮らした札幌をひきはらい、函館の「旭が丘の家」というカトリック系のホームにいます。
「旭が丘の家」には、若いころからの友達や信仰を同じくする人たちがたくさんいて…
その意味では母にとってはベターな環境かとは思います。
刺激的な集団生活はボケには有効かもしれません。
でも集団生活は他人同士が譲り合いながら生きていくということでもあるわけで・・・
当然そこには遠慮やアツレキも生まれることになります。
年に1度、渡り鳥のように飛んでくる習慣をできるだけ長く続けられれば…
せめて年に1度、家族のもとで、羽を休めさせてあげたいですもんね。
そんな思いを胸に秘めて、2日間過ごした我が家から妹の家へとバトンタッチしました。
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