越谷中央中学でコンサート
コンサート会場の体育館に入ると生徒たちでいっぱいだった。
山西校長先生に伴われて人垣で作られた通路を歩く。
中学生特有の汗くさい=油くさい体臭が妙に懐かしい。
僕を見上げる生徒たちの好奇の目。
それに笑いかけて応えながら人垣の道をステージに向かって進む。
このシチュエーション。
懐かしい・・・。10年前にタイムスリップしたみたい。
:
越谷南中学のPTA会長をやっていたころ、南中の校長だった山西先生とのつきあいは始まりました。教育の考え方や子供たちとの接し方など、ずいぶん教えていただいた先生です。
山西先生からメールをいただいたのは10月のはじめでした。
中央中学校で演奏と講演をしていただけないでしょうか・・・
もう二つ返事でお応えしましたよ。山西先生とまた仕事ができるなんて、こんなうれしいことはないですからね。
昨年は大野靖之君という若いシンガーを学校に招いてコンサートをしたそうです。
大野君は今年デビューしたシンガーで道徳の非常勤講師もしているそうです。
僕も彼がデビューする前から注目していて成長を楽しみにしているシンガーです。
音楽を通して子供たちの心にストレートに何かを投げかけたいという企画なんだろうと思います。
僕がもらったテーマは・・・
「夢をもって生きる」
南中のPTA会長だったころ子供たちに「夢」について語り続けていたのを、覚えていてくださったのでしょうか・・・
とはいえ直接かかわったことのない生徒たちに一般的に「夢」を語ってもなかなか伝わらないでしょうしね・・・
で、僕が追いかけてきた夢を語ることにしました。
キーワードはこの3点。
夢をもつ
本気で追いかける
挫折について
:
僕が初めてギターを手にしたのは中学校の2年生の時でした。
当時は、世の中がゆれうごいているころでした。
若者たちは、社会変革の運動に身を投じたり、ギターを片手にフォーク集会を開いたり・・・
自分たちの手で世の中を変えるんだ!
そんな気概にあふれていた時代でした。
そんな時代の空気の中で僕は
歌で世の中を変えるんだ
こんな夢を見ていました。
あっちの集会、こっちの集会に顔を出しては反戦歌やプロテスト・フォークを歌っていたのです。
でもある時ふと感じたのです。(それは70年安保が自動延長され、社会運動が急速に力を失っていくときなんですが・・・)
歌じゃ、世の中は変えられなかった・・・
僕は、ギターを捨てました。挫折というやつです。
何年もの間、僕は自分の生き方を求めてさまよい歩きました。
この間に就職し、結婚をして子供も生まれました。
ある日、ギターをまた弾いてみようと思うことがありました。
ほこりをかぶっていたギターを抱えて、生まれて間もない長男をオーディエンスに即興で歌ってみたら・・・
パーッとまわりが急に明るくなったような気がしたのです。
やっぱり音楽だよ。俺に必要なものは・・・
そこから僕の音楽人生がふたたび始まったのです。
本気で夢を追いかけたから、僕はふたたび音楽に出会うことができた。
今も本気で追いかけているから、音楽を通して新しい出会いや経験を持つことができる。
なによりも自分自身に対して納得がいく、充足感が生まれる。
逆にいうと、本気で夢を追いかけなくちゃ、本当のことは何も分からない。
夢にもいろんなものがあると思います。
夢の追いかけ方もいろんな形があると思います。
人の数だけそれはあるんじゃないかな・・・
それぞれが本気で、夢を追いかけると挫折したとしても、そこから新たな何かを見つけることができるんだと思います。
:
こんな思いで、40分のコンサートを進めました。
言いたいことの十分の一も語れなかったように思うけど・・・
子供たちからは心地のよい反応が返ってきたし、なによりも演奏していて楽しかった!
いいチャンスをくださった山西先生に感謝!
準備などでお世話くださった先生方やPTAの方に感謝!
そしてなによりも、コンサートに付き合ってくれた生徒たちに感謝!
いい夢を 見つけろよ!
:
[演奏曲目]
1.涙そうそう
2.三つの箱
3.戦争知らない子供たち83
4.少年
5.世界にひとつだけの花
6.マイ・ボーイ
7.時代
8.大空と大地の中で (アンコール)
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