埋もれた歌を発掘する
今年の「街角ライブ」のテーマでした。
いろんな切り口から、試してきたんですけどね・・・
最近、昭和40年代の歌謡曲がやたら気になってるんですよ。
昭和40年代・・・
僕が10代の思春期まっさかりのころです。
橋幸男だの舟木一夫だの西郷輝彦が三羽がらすと呼ばれ、三田明を加えて四天王と呼ばれた時代。
(それにしても日本のマスコミが仰々しいキャッチフレーズをつけて煽り立てるのは、今に始まったことじゃないんですね)
女性陣では園まり、伊東ゆかり、中尾ミエが3人娘って呼ばれてましたよね。
そんな時代に流れていた歌謡曲が、今やたら心地よく聞けちゃうんですよ。
新越谷駅での「街角ライブ」が規制のためできなくなって以来、越谷市場でのライブなどに歌う場が移ってきています。
場が変わると受け入れられる歌も変わってくるんですよね。
市場に来るお客さんは結構年配の方も多くて、昭和歌謡が自然に入っていく。
そんな必要性から昭和歌謡を少しずつ歌うようにもなってるんですが・・・
必要性だけじゃないんですよ。昭和歌謡が心地よいのは。
懐かしさに加えて、当時の歌詞がやたらびんびん入ってくる。
当時の作詞家ってのは本当に言葉を選び、削りに削って書いてたんだなって思います。
最近のヒット曲をみると言葉数がやたら多いのが目につきます。
僕などはそれだけで疲れてしまう。
そぎ落とされた歌詞とシンプルなメロディ。
単純であるからこそ持つ力みたいなものが昭和歌謡の強さなんでしょうね。
’
フォークソングに対するこだわりから、歌謡曲を商業音楽として毛嫌いする時代が、僕には長いこと続いてたんです。
「ロール・オーバー・クラノスケ」なんて浜口庫之助先生を茶化した歌まであったんですからね。
当時は・・・
最近、そんなこだわりがだんだん薄れてきたのは・・・
はたして退化なのでしょうか?
はたまた堕落と呼ばれるべきものなんでしょうか・・・?
幼少のころラジオやテレビから流れる歌謡曲で育った僕たち。
知らず知らずのうちに染みこんで心の奥にたまっていた昭和の歌謡曲。
それが発酵し、ガスとなり、くつくつ噴き出しているということなのでしょうか?
いずれにしろ・・・
どうやら自分の底辺にあるものは、幼いころ浸っていた歌謡曲。
最近になってやっと、このことを素直に認めることができるようになってきました。
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コメント
>フォークソングに対するこだわりから、歌謡>曲を商業音楽として毛嫌いする時代が、僕>には長いこと続いてたんです。
>最近、そんなこだわりがだんだん薄れてき>たのは・・・
>はたして退化なのでしょうか?
>はたまた堕落と呼ばれるべきものなんでし>ょうか・・・?
ぜんぜんそんなことないですって(笑)。
「昭和歌謡」っていうのは、作り手の側も歌い手の側も、常に二面性をもった戦いや葛藤の歴史だったと思っています・・・。
簡単に言うと時期ごとに渡来する「洋楽」という「黒船」をどのように解釈するかという点に集約されるのではないでしょうか?
>どうやら自分の底辺にあるものは、幼いころ>浸っていた歌謡曲。
美空ひばりの「柔」を聴いて、ウチの親父が昔ポツリと言ったことがあって、「この歌だけは美空ひばりだけしか上手く歌えないなぁ・・・」という言葉だったか・・・。
あの七五調の歌詞に対する義太夫や浪曲といった古典邦楽的な発声。(高音域は細く弱く繊細に、低音域は太く強く腹から。洋楽ではオペラなどが典型的に逆パターン)
それとあの曲のリズム・・・。
きっと、ひばりさんは父親や祖父母の浪曲や義太夫を聞く一方で、「軍歌」のリズムが体の奥底に深く根づいていたことと思われます。
あっ、それから往年のテレビ番組の「シャボン玉ホリデー」の中で、ハナ 肇が「アッと驚く為五郎~」というギャグのあの一節、アドリブで誕生したものだったのに、ハナさんが子供の頃、親が好きで一日中のように聴いていた浪曲の一節がなぜか出てしまったよう・・・。
ジャズマンなのにネ(笑)。
投稿: MATSUMURA | 2005.10.24 22:00
MATSUMURA君
いつも楽しいコメントありがとう。
僕らの世代のフォークシンガーには、商業主義というものにどうしようもないトラウマがあるんです。
僕は長年「売れないフォークシンガー」になるのが夢でした。
それは商業主義に毒されない歌うたいと同義です。
そういう思いに駆られたのは、ヒット曲はマスコミにココロを売り渡すという、今思えばかなり屈折した当時の雰囲気の影響を受けています。
今思えば、一面的だなと思いますがね。
だから、昭和歌謡曲に限りない愛着を感じる今の自分が、過去の自分と仲間たちに問いかけてみたんです。
退化かい?堕落かい?
でも、俺は今はそうは思わないよ。
もっと素直になっていいんじゃないのかい?
そんな思いでしょうか・・・
オリジナリティとポピュラリティの問題に絡んでくる部分でもあるのですが、この点はいずれまた。
投稿: Martin古池 | 2005.10.25 19:00