今年の夏は一人旅 清津峡キャンプ
出がけに子供たちに声をかけたらあっさりふられてしまいました。
中学生のころは尻尾をふってついてきたのにね!
一人旅とはいえ2泊分の食料とテント、それにライブ用の譜面をつめこんだザックは肩にズッシリ! しかもこれにギターケースを抱きかかえて山道を下るんだから結構きついんですよ。
ここ2~3年、わずか30分の山道がきつくなってきているのはなんとも情けないと思いながらやっとの思いでたどりつきました。
ここは電気もガスも電話も何もない、ランプの里(?)清津峡キャンプ場。
いまどき 何もないからこそ、生まれる価値がある。
いまどき 汗まみれになってたどりつくからこそ、分かる意味がある。
管理人一家、沖西さんのお母さんが笑顔で出迎えてくれます。
まあまあ、大変だったでしょう
何もないけどお茶でもどうぞ
7年前、「清津の仙人」と呼ばれたご主人を亡くされてから子供たちとこのキャンプ場を切り盛りしている御年六十…ン才のお母さん。年々若返っていくようで、あなたこそ「清津の仙女」だと思ってしまいます。(清津の仙人についてはいつか、必ず書こうと思っています)
今年は僕のほかに2グループがバンガローにいました。
20代前半の、映画監督、声楽家、ダンサー、ミュージシャンなどの卵たち。
男女合わせて7人グループは若さにまかせてはしゃぎまわっていました。
それと、常連さんの太郎ちゃん一家。
太郎ちゃんはお祭り野郎の鳶さん。気風も威勢もいい好男子!
数年前に、のりこ奥さんの誕生日に即興ソングを歌ってあげてから親しく感じている一家です。
長男のショウタ君は父ちゃん大好きの、元気のかたまりのような中学生。
そして妹のさくらちゃんは小学2年生。
太郎ちゃんを見ていると、「子連れ山旅」と称しては子供たちを連れて山歩きをしていたころの自分と重なってきます。
これに沖西一家が加わります。
仙人の後をついで清津峡をとりしきるアキラッチ。 アメリカ大陸を放浪(?)した経歴のある彼は独特の雰囲気を持つ青年(といっても40の峠を越えてますが・・・)。僕のギターの弟子と勝手に自称しています。
そして、その妹順ちゃん。彼女はナイーブながら強い芯を持った女性で「仙人」の気質を受けついでいるようです。若いころから山々を歩き回り、北アルプスの山小屋で仕事をしていたこともあるそうです。
最後に清津峡のアイドル萌ちゃん。順ちゃんの一人娘で4歳になったばかりのおしゃまな娘です。
長々と登場人物を紹介しちゃいました。
こういう登場人物一人ひとりが清津峡の良さを演出しているからです。
清津峡の良さは、登場人物がそれぞれ勝手に楽しみながらも、いつのまにか管理人小屋の前でちょっとしたつきあいが始まるというところです。
たとえばオートキャンプ場なんかでは、目と鼻の先にテントを張っていながらほとんどやり取りをすることはありません。僕にはそんなオートキャンプがなんとなく都会の生活をそっくりアウトドアに移動しているだけのように感じられてなりません。
清津峡は車で横付けできない山の中なので、限られたものしか持ち込めません。その分不自由なわけですが、その不自由さが人の心に「人恋しさ」を芽生えさせるような気がするのです。
たとえば、それぞれのグループが夕食を終えたころにはあたりは闇につつまれてしまいます。管理小屋の前のテーブルにはランプが灯され、ひとりまた一人と手に手に酒やらつまみやらを持って集まってきます。そこで知らないものどうしの語らいが始まるのです。
僕が参加するときは、ミニライブが始まります。えんえんと何時間も歌ったり、語ったり・・・。
それを楽しみにしてくれている人もいます。太郎ちゃん一家もそうです。太郎ちゃんにしてみると、僕の歌をネタに話をするのがいいんでしょうね。そして酔っ払う。酔っ払ったあげくふらりと消えてそこいらの地べたで眠ってしまう。
ひとたびそんな風になると、翌日目覚めるとなんとなくいい感じが芽生えています。
今年面白かったのは、それぞれの夢を追いかける若者たちと出会えたことです。
彼らともランプの中でのミニライブで親しくなれました。
声楽家志望のあやのちゃんは僕のギター伴奏で何曲もきれいな声を聞かせてくれました。
ミュージシャンのポンチャンはジャンベ(アフリカの太鼓)をたたき、それに合わせてズミさんが怪しげなアフリカ風の歌を歌う。他の若者は別の小太鼓で合わせる。
そのかたわらで、ショータが僕のケーナを吹く。(ショータはお囃子の横笛をやっているので初めて手にしたケーナもなんとなく吹けるようになったのです)
毎回、清津峡にはこんな出会いが必ずあります。
渋滞にいらだちながら埼玉から丹沢まで行き、重たい荷物にてこずりながらもここに通うのは多分そんな出会いが楽しいからなのかもしれません。
★お知らせ★
10月1日(土)~10月2日(日)
第2回 ライブ・イン・清津峡をやります。
ミュージシャン・ポンちゃんこと露木一博君は「東京打撃団」のメンバーです。
「東京打撃団」は「鬼太鼓座」や「鼓童」の流れを組む和太鼓のグループです。
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コメント
いいですね、荷物が多かろうがそこに向かいたくなるキモチ。そして、そういう空間があるということ。
自分はアウトドア系に縁遠くて、ホントにうらやましい。空気を断ち切って自分を切り替える為のタイミング、必要だよなァ・・・。そう思います。
投稿: Goro | 2005.08.17 12:59
goroさん
コメントありがとう。
そこに行けば気持ちが安らぐ場所、ぼくを待ってくれている人がいる場所って本当にありがたいと思います。
この清津峡もそんな場所の一つ。
今度goroさんもマーチンをひっさげて一緒に行きませんか?
投稿: Martin 古池 | 2005.08.17 15:58