昭和の日
「みどりの日」を「昭和の日」に変えようという議論がなされているそうだ。
「昭和」というひびきに甘酸っぱい懐かしいものを感じている自分がいる。
自分にとって「古きよき時代」だったのかもしれない。
けれど、戦争のさなかに青春をすり減らしてきた人たちには、父母の世代には・・・
また違った感慨があるのだと思う。
中国や韓国でいま日本の戦争責任を問いなおす声が、異常なまでに沸騰している。
きっちりとした「昭和」の総括をしなければいけない時期なのかもしれない。
北海道新聞のコラムに興味深い記事が掲載されていたので紹介します。
北海道新聞 卓上四季(5月10日)より
URL:http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?j=0033▼昭和とはどんな時代だったのだろう。と、考えるとき、思い浮かぶのは中原中也の詩「サーカス」のこの書き出しである。「幾時代かがありまして/茶色い戦争ありました」
▼戦争末期、いつ戦場に送られ、死ぬかわからない若者たちの心を中也の詩は強く引きつけた。長く続いた大きな戦争。そしてその後の長い平和な時間。貧しさと高度経済成長。激動の六十余年。昭和は光と影の時代だった
▼四月二十九日の「みどりの日」を「昭和の日」に変える祝日法改正案が近く参院で成立する見通しだ。その趣旨は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」である
▼昭和天皇が一九八九年一月に亡くなった後、(昭和)天皇誕生日は「みどりの日」として継承された。当時から「昭和の日」案はあったが、政府は祝日法の建前からもあえてその案を避けた
▼なのにいま、なぜ「みどりの日」を改めようとするのか。不思議なほどに国会審議は素っ気なく、深みのある議論が行われた形跡はない。当初は改正案に反対していた民主党が一転して賛成に回ったのも不可解である
▼「古き良き昭和を賛美しつつ懐古する日になるのか、苦み交じりに来し方行く末を思う一日になるのか。それは『昭和の日』が戦争の記憶を引き受けるかどうかにかかってくる」。作家重松清さんの言葉と中也の詩がどこか重なる。
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