にぎやかな親衛隊 「街角ライブ」5/21
「Trail of Ours」というグループがいる。
オリジナルを中心にやっているデュオ・グループ(男性2人組)。
ギター2本とハープ2本というおなじみのスタイルで演奏している。
ナイーブな声質のハーモニーが魅力のグループ。
僕とは3年来のつきあいになる。
この3年でめきめきと力をつけてきて、あちらこちらのライブハウスでも演奏しているようだ。
力に比例して親衛隊(ファンクラブ)の数もうなぎのぼりに増えているようだ。
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いつもの場所で演奏をしていると、女の子たちがチラチラこちらを見てはなにやらささやいている。敵意は感じられないが何か困惑しているそぶりがかいまみられる。
また、僕の演奏しているまん前でギターをかかえた小学生とアンプをひっぱる母親がこちらに背を向けていた。母親の背中は僕の演奏をかたくなに黙殺しているかのように感じられた。
なにかきな臭いものを感じながら、いつものペースで演奏を続ける。
やがて女の子の群れが10メートルほど離れたところで壁を作り出した。壁の向こうからはギターの音が・・・。
やっと納得がいった。「Trail of Ours」とその親衛隊が演奏しようと思ってきたら、先に僕がやっていたものだから困惑していたのだ。
駅の要所要所はすでに他のグループが演奏を始めていて、「Trail of Ours」の場所はすでになかった。最後に残された場所は「掟やぶり」のエスカレータ降り口前。通行に迷惑と過去規制されたケースが多い場所。
そしてその場所は僕の演奏の直撃を受ける場所でもある。
何十人もの大所帯では今さら解散というわけにもいかず、「掟やぶり」の場所で演奏を始めた彼ら。
事情を察したので、僕のほうはギターアンプのボリュームを大幅にカットしてボーカルのマイクはオフにした。「Trail of Ours」は無茶な演奏をするグループではないし、長年のおつきあいということもある。(はりあうのも大人気ないしね)
ところが予想外の展開が・・・。
「Trail of Ours」の演奏だけなら互いに譲りあってということで、なんの問題もない。問題は親衛隊にあった。彼らの演奏に合わせて一緒に歌ったりかけごえをかけたりでなんともやかましい。追い撃ちをかけるようにタンバリンのきざむビート!
今週もまた「平常心」を心がけながらの演奏を余儀なくされた。
僕のほうは演奏が進むにつれ、足を止めてくれる人が増え始め10数人のオーディエンスとともにこじんまりとやっていた。
そのお客さんたちに「聴こえないから、ボリュームを上げなよ」と言われる。
でもここでこちらが対抗手段にうったえると、駅コンコースが騒音の渦に巻き込まれる。その結果が苦情につながり、東武や警察の規制がかかるのは火を見るより明らか。
そのことを説明して納得してもらった。
そういう空気の中で地声で歌うということは、相当に神経と体力を使う。
まわりの音に惑わされずに、どれだけ心を歌にのせられるか神経を使う。
それをいかにして声として表現するか、体力を使う。
こういうときは声高に最大声量で歌ってもよくない。むしろどれだけ声を絞り込めるか、絞り込んだ声の内側にどれだけ声量を圧縮できるかが腕の見せどころだと思う。
ものすごい勉強の場になる。
「Trail of Ours」にかぎらず、「YKJ」も「伝心柱」も実力のある、そして魅力ある若いグループ。必然的に親衛隊の数も多くなる。それは彼らにとって一種のステータスだろう。また自分たちの演奏を鼓舞してくれる大切なものだろう。サッカーのサポーターみたいなもんだ。
サポーターが増えれば増えるほど、自分たちの守備範囲を超えていろんなことが一人歩きしてくることもまた確かなこと。サポーターの交通整理も視野に入れなければまずいと思う。
交通整理とはたとえばライブハウスのような密閉された空間でのサポーターのノセかたと、路上のような公共の開かれた場所でのノセかたとではまったく違うということだ。ライブハウスは自分たちだけの守られた世界だから100%ノセルことをめざしてもなんら問題ない。
でも路上は通行人をはじめ、ショップや駅員、甘栗屋さん、他のさまざまなの無関係の人たちがひしめいている。さらには駅コンコースで演奏しているミュージシャンもたくさんいる。そのことを忘れてはいけない。
残念ながら今日の「Trail of Ours」のステージはライブハウス的なノリだった。(その点「YKJ」はうまく交通整理をしていた)
【今日の出来事】
- 結局、警察からの規制が入り10時半で演奏ストップとなりました。
- 長男の幼馴染 Hiroki が彼女を連れて現れました。3月にお母さんを亡くし明日が納骨とのこと。そしてあさって入籍するとの報告をしに来たのです。Hiroki のことは赤ん坊のころから知っているだけに感慨ひとしお。『生命』『純』『糸』と3曲立て続けで演奏し、Hiroki、Yumiちゃんの門出を祝いました。二人に暖かい拍手を送ってくれた皆さん、どうもありがとう。
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