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2005.04.14

桜まいちる 土俵岳 お祭り山行

かさっ…
 ボキッ…
  もわ~

尾根道は杉枯れ葉のじゅうたん。
ふみしめるようにして歩くと、足元からスギの花粉がまとわりついてくる。

去年までは花粉のことなど考えもしなかった。
メディアから「異常発生」をさんざん刷り込まれ、今年はさすがに気になる。
杉の林にさしこむ陽の光を見る。まるで黄色い霧もやがかかっているようだ。

    これがみんな花粉かよ…?やべぇなぁ…
 
ひとりごとを言いながら、山道を登る。DSCN1369

DSCN1365 

       【土俵岳集中山行】
  
土俵岳は南秋川の笹尾根にある山だ。三頭山から高尾山にいたる長い尾根が笹尾根。
土俵岳は三頭山よりの奥まったところに位置している。

毎年4月の第2日曜日、正午に土俵岳直下の日原峠に僕たちは集まる。
大鍋にトン汁を作り、酒をくみかわす。
互いの近況を報告し、その年の山行の
無事を祈る。

そんなお祭り山行が「あすなろ山の会」に長く続く伝統だ。
「あすなろ山の会」創立のメンバーがもう70歳を越えているのだから、もう50年くらい続いている。

僕が参加しはじめて、20年を超えた。
子供が小さいころは前夜から入り、となりの浅間峠にテントをはった。
若手メンバーの子供たちも集まり、闇の中で焚き火をおこし、暖をとりながら遊んだ。
にぎやかな前夜祭だった。

やがて子供たちは成長した。
親の影響下をはなれ、子供たちはそれぞれの道を歩き始めた。
「若手メンバー」も50の峠を越えた。
前夜祭はなくなり、親の一人旅が続いた。

ボクは去年からテントのかわりにギターをかついで登るようになった。
お祭りの一ページにミニライブを加えるためだ。
30~40分。曲数にして5~6曲。
気心の知れた仲間の中での演奏は楽しい。

……………………………………………………

棡原(ゆずりはら)の村落に車を置いて、ゆっくり歩き始める。10時半というのに、暑いくらいだ。
山里はさくらが満開。人気のない小学校の校庭はピンクが陽の光に映えている。
のどかだ…。

DSCN1395

車道を横切り、畑の間の抜け道を歩いていると、突然呼び止められる。

   兄さん!どこ行くんかね?
   
野良仕事のおじさんだ。
日焼けしたたくましい身体。
精悍な顔つき。
手にはクワをかかえている。

私道を歩いているため、それをとがめられたのかと思いビクッとする。
思わず満面の笑みを浮かべ

   これから土俵岳に登ろうと思って…。
   道はこれでいいんですよね?

   
   
   あんた。土俵まではまだだいぶあるよ。
   ギターなんかかついで登れるのかね?

ギターをかかえて山に登ろうとしている姿がよほど奇異にうつったとみえる。
話好きなおじさんだった。思わぬ長話しになってしまう。

   今日は村祭りでのぉ、子供みこしも出る。
   もっともここは田舎での、子供が少ないからのぉ、
   軽トラに乗っけて走るんじゃ。
   それにしてもギターなんてかついで山登る人は、はじめてじゃ…。

   
「田舎だから」とやたら謙遜しながら、しっかり郷土自慢をするのがなんともほほえましい。

すっかり出遅れてしまった。

おじさんの予言はみごと的中。
山道はそれほど荒れているわけではないのだが、ところどころ樹が倒れて道をふさいでいる。
かさばるギターケースをあちこちにひっかけ、難渋する。
くわえておとろえた体力では遅れをとりもどすことはできなかった。

定刻より遅れること30分。やっとの思いで日原峠に到着。

日原峠にはすでに全員集合している。トン汁も煮えごろだ。
さっそくビールでのどをうるおす。
汗をかいた山の上で飲むビールはなにものにもかえがたい。(たとえ多少ぬるくても)

今年は例年になく華やいでいる。
狭山の中学校で陸上のコーチをしている原田夫妻が生徒たちを20人ほど連れてきたのだ。

年々高齢化がすすむ「あすなろ山の会」、久々のにぎやかさにわきたつ。

年齢構成を見ると、70代、60代、50代、40代と続き、いきなり10代!それも20人!
平均年齢が一気に下がった。

DSCN1390

       

 【ミニライブ】

そんなわけでミニライブの選曲もきゅうきょ変更。
中学生も知っている内容にする。

・あすなろの歌
・少年時代
・おじいさんの古時計
・涙そうそう
・さくら

「あすなろの歌」はボクのオリジナル。山の会のテーマソングとして20年前に作った。
この歌ははずすわけにいかない。なにしろボクを含め3人の人が歌詞カードをコピーして持ってきているくらいだ。オープニングに歌う。

「おじいさんの古時計」は教科書にも載っている。
平井堅がヒットさせた「大きな古時計」とおなじ歌。
もともとカントリー・ソングで 「Grandfather's Clock」 という題がついている。高石ともやが元歌に近い歌詞でやっているのでそのバージョンでカントリー風に演奏。
おじいさんとともに生きてきた時計をテーマに、おじいさんに対する愛情と尊敬を歌った歌詞。DSCN1399

エンディングは森山直太郎君の 「さくら」 。

さくら さくら いざ舞い上がれ
永遠にさんざめく光を浴びて
さらば友よ またこの場所で会おう 
さくら舞い散る道の上で


廃校になった三郷瑞沼小学校のことを紹介する。
学校の統廃合の結果、校歌が変わった僕の母校=青柳小学校の話もする。

少年時代の思い出が姿を消していくせつなさ。
でもそこでおなじ時代をすごした友達はなによりの宝物だ。
おなじ中学、おなじ陸上部。仲間との関係をいつまでも大切にしてほしい。
そんな思いを込めたトークになる。

「さくら」を歌っていてハッと気がついた。
この歌には中学生だけではなく、我々大人にとっても感じるものが含まれている。
長い道のりを歩いてきた「あすなろ」。
今はそれぞれの山をそれぞれに歩いている。
でも年に一度この場所に集まれることのしあわせ。
大人だからこそ感じることのできる、仲間の大切さ。かけがえのなさ。

時は4月。さくらは満開。DSCN1398

土俵岳ミニライブのあらたな定番の歌になりそうな予感……。

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