清津峡ミニライブ
南丹沢に 清津峡 というキャンプ場がある。
アウトドアがブームとなりオートキャンプ場が圧倒的に主流となっているが「清津峡」は時の流れに逆らうかのようにブームとは無縁のキャンプ場だ。
まず車が入り込めない。
バス停から山道を15分ほど下っていくしかたどり着くすべがない。
当然荷物は肩に背負うえる分しか持ち込めない。
キャンプ場は森を切り開いた川沿いの台地にあり、
手作りのバンガローが点在しているだけのキャンプ場だ。
電気がない。だから夜はランプの灯りが頼り。
ガスもない。煮炊きはかまどで火をおこすかたき火ということになる。
当然自動販売機の類はない。飲み物は自分で持ち込むしかない。
(水は自然な湧き水が潤沢にある)
街の生活をそのままアウトドアに持ちこんだようなオートキャンプ場とは趣をだいぶ異にする。
でもそこには街の暮らしとは隔絶された、得がたい時間と空間がある。
僕が「清津峡」に通いだしてからもう20年以上になる。
毎年1度か2度だが欠かさず通っている。
60リットルのでかいザックにテントと食料をつめこむ。
ギターケースを抱えながらヨタヨタ山道を下るのが僕のスタイルだ。
ゆったりした時間を過ごし、夜のとばりがおりるころ
管理棟前のテーブルをステージにしてギターを弾き始める。
たきびの灯りとランプがスポットライトのアコースティックライブだ。
徐々にテーブルのまわりに人が集まり始める。
お客さんはその時来ていた人たち。
(時々鹿やムササビも参加する)
前宣伝は一切なし。
酒を酌み交わしながらのライブ。
構成も選曲もへったくれもない。
なりゆきまかせ、風まかせ。
時に飛び入りがあったり、一緒に歌うということもある。
佳境にはっいてくるとあっちのテント、こっちのバンガローからリクエストが飛び交う。
何しろ暗い。闇に向って歌うようなものだ。
でも闇の中からしっかり反応が返ってくる。
ライブは深夜まで続く。
体力が尽きる頃集まってくれた人も徐々に自分のねぐらへ戻り始め、
たき火の火が消えるようにライブも終わる。
こんな自然発生的なライブがもう10年以上続いている。
僕にとっては大切な年に一度の儀式。
自然の中で
見知らぬ人と
酒を酌み交わしながら
情けを酌み交わし、
歌う。
音楽のひとつの原点だと思う。
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