道産子の「内地」観は変わった?
★北海道民の意識の変化についてのコラムです。
夏の甲子園。駒大苫小牧(南北海道)が優勝し、春夏通じて初めて優勝旗が北海道に渡った。ベンチ入りの18人全員が道産子だ。北海道出身者としては、うれしい限りだ。野球技術もさることながら、若者たちには「内地」(北海道で中高年の本州の呼び方)との心理的な距離も全くないのだろう。
北海道で過ごした高校時代、京都への修学旅行は列車、青函連絡船を乗り継いで8泊9日の行程だった。修学旅行直前、担任が「内地に行ったことのある者は」と聞くと、クラスで2、3人しかいなかった。飛行機の利用はまだ少なく、心理的にも津軽海峡は北海道と本州を大きく隔てていた。
道産子の先祖の多くは「内地」から渡ってきた。私の先代は明治時代、茨城県の鹿島灘を望む寒村から北方領土の択捉島に向かい、北海道にたどりついた。貧しさゆえに古里を捨てた負い目と新天地に向かう進取の気性が交錯し、どこか屈折した先代のDNAを「内地」世代までは受け継いでいたように思える。ところが、球児の快音は、私の「内地」観を完全に吹き飛ばした。【清宮克良】
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