時間の流れる速さが変わるとき
朝の通勤時間。
地下3階の地下鉄に乗るため、長~いエスカレータに足を乗せた。
いつもなら改札を目指してエスカレータの上を足早に歩くところ。今日は朝からなんとなく気乗りがしなくて、エスカレータの上で足を乗せ、そのまま止まってしまった。
僕の脇をすり抜けるようにたくさんの人が駆け下りていく。
前後に立ち止まる人はいない。
僕のまわりだけ時の流れが遅くなったような感覚に急に襲われる。
取り残されたような気分と、先を急ぐ自分に対する疑念が交錯する。
「俺…なにやってんだろう?何をいつも急いでいるんだろう」
物心ついたころから、いつも何かに追われるように走りつづけてきた気がする。
まるでどれだけ多くのことができるかで人生の価値が決まるかのように。
目的のある旅ではない。
旅するための旅。
大切に生きれば十分に長い人生の旅路
大佛次郎の『旅路』という小説だったと思う。(違うかもしれない)
昔50代だった父が好んで引用していたこのフレーズが、50代を迎えた僕の中でフラッシュバックする。
人生を大切に生きるということがどういうことなのか。
50代になった僕のテーマになりそうだ。
2分間のエスカレータの旅路。そんなことを考えていた。
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