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2004.02.25

電車と携帯

朝の通勤電車でのできごと。
僕は運良く座ることができたので『サッカーマガジン』を開いて
Jリーグ各チームの昨年データから、戦力の比較分析をしていた。
数字の羅列からそのチームの傾向や特徴を想像しイメージするのは結構はまる。

電車は込んできて前に立ってる人との距離はかなり接近してきた。
本に目を落としている僕の頭の上でふいにピピピピピッ…、カチャカチャカチャと鳴り出した。
メールだとすぐに気が付いたが、その時は気にとめなかった。「じきに終わるだろう」と思っていた。
ところが10分たってもその音は止まらなかった。
あの音は気になりだすと、どうしようもなくなる。僕の思考は浦和レッズのところで止まったままだった。
何度かちらちらその音の持ち主を見やった。30もなかばと思えるご婦人だった。
彼女はこちらの視線には全く気がつかない様子。(気がつかないふりをしていたのかな?)
「おい、混雑時は携帯の電源を切ってくださいと車内放送で何度も言ってるだろう!」と思いつつ、しばらくは我慢していた。
電車が急ブレーキをかけた。立っている人達はみな大きくゆれた。
彼女もゆれた。そして何事もなかったようにメールの続きを打ち始めた。

僕の中でなにかがはじけた。
「申し訳ないんだけど、ピピピッていう音を止めてもらえません?
頭の上でそれをやられると気になって本も読めないんだけど」
衝動的に口をついて出てしまった。
彼女は不愉快そうな顔をした。
注意されたことに対する不快感なのか、
僕は座って本を読んでるくせに、立っている自分に文句言えた義理かと思ったのかは分からない。
あとの顛末はご想像におまかせするが、あまり気分の良くない朝だった。

ひところ電車内での携帯電話に対する議論が沸騰したころがあった。
僕は目くじらを立てて議論するようなもんじゃないと、その議論自体をちょっと冷淡に見ていた。
良識の範囲で判断すればいい話しじゃないかと思っていた。
仲間同士で大声で話しをする若者たちもいる。
ウォークマンのイヤホンから漏れるドラムのハイハットの音をたれながす若者もいる。
酔っ払っておだをあげ、その場にはいない上司の批判をして盛りあがるおっさんたちもいる。
車両を走り回り、しかられると泣き喚く子供も多い。
そんな子供をしかりつけるお母さんの声の方がはるかにやかましいということもある。
そういうことに比べて、見えない相手に対し携帯で話しをすることの非がどれほど大きいのか。
携帯だけをことさらに論じるのは片手落ちだと思っていた。
(ラジオやテレビの特集でもこぞってこの議論を取り上げていた)

でも良識ってなんだろう?
人に不快感を与えることを継続的に行なうのは良識に反することだろう。
でも不快感を覚える内容ってのは一人一人違うだろう。
例えば僕だったら電車の中で携帯をやっていても、小声で2~3分程度だったら全く気にならない。
でも5分以上もやられたんじゃいらだってくる。
大声でやられたんじゃたとえ10秒でも癇にさわる。
なりだした携帯の音を大慌てで消す姿を見ると、最初からマナーモードにしとけよと思う。
人に後ろ指をさされまいと思ったら、何もしないことが一番。
でもそれすらも怪しい。おまえの存在そのものが不快だといわれたらなんと答えよう。
で、結局僕もやりたいようにやってるんですよね。
だからこんなことを思ってる僕にしたってどこで人に不快感を与えているかわからない。
自分では気づかずにどれだけ人のひんしゅくをかっていることか…。
なんだか怖くなってきたなぁ…。

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